レッドソックスの苦境が、またひとつ別の矛盾をあぶり出した。19日(日本時間20日)、本拠地フェンウェイ・パークでのタイガース戦に2―6で敗戦。先発したギャレット・クロシェ投手(26)は5回7安打5失点で今季3敗目を喫し、チームは8勝13敗でア・リーグ東地区最下位タイに沈んだ。6年1億7000万ドル(約270億円)で長期契約を結んだ左腕が波に乗れない一方、別の高額戦力もまた宙に浮いたままだ。
米メディア「ヘビー」がクローズアップしたのは、吉田正尚外野手(32)の立場だった。記事は開幕直後から先発機会が安定しない吉田が、それでも限られた打席で結果を残している現状に焦点を当てている。吉田自身も「それは自分が慣れていないこと。出場している以上、自分の目標は先発メンバーに入ること」と率直に語っており、起用法への違和感を隠していない。
実際、数字だけを見れば埋もれる打者ではない。吉田は19日終了時点で打率3割、0本塁打、5打点、OPS.862。17日(同18日)のタイガース戦では延長10回に代打サヨナラ打を放ち、存在感を示した。しかしながら19日の試合は9回二死から代打で二ゴロに倒れ、連続試合安打は6でストップ。それでもヘビーは、少ない出番の中で結果を積み上げている点を強調している。
それでも固定されないのは、外野とDHに打てる駒が並ぶ編成事情があるからだ。チームにとっては「層の厚さ」でも、5年9000万ドル(約143億円)を投じた左打者を日替わりのように扱っていては、投資の最大化とは言い難い。打てるのに軸にし切れない。クロシェの不安定さと同じく、そこにも今のレッドソックスの歯車が噛み合っていないことを物語っている。低迷の原因は一人ではない。だが吉田の現在地は、このチームが抱える歪みを映す鏡になっている。












