沈黙の打線に、主砲があえて〝重い言葉〟を差し込んだ。フィリーズは19日(日本時間20日)、本拠地シチズンズ・バンク・パークでブレーブスに2―4で敗れ、5連敗。これで8勝13敗となり、ナ・リーグ東地区4位。首位ブレーブスには、6・5ゲーム差をつけられた。

 しかも直近13試合で3勝10敗、9連戦の本拠地では2勝7敗。昨季は2年連続でナ・リーグ東地区を制したチームだけに、この沈み方は異様というほかない。20日(同21日)は敵地リグリー・フィールドでカブスとの4連戦初戦を迎えるが、流れは明らかに悪い。そんな中で、米メディア「ヘビー」が焦点を当てたのがカイル・シュワバー外野手(33)の言葉だ。チームは結果を追いかけ過ぎるべきではなく、全員がやるべきことをやっていれば「変化は避けられない」――。

 苦境の最中でもクラブハウスを落ち着かせるような言葉の発信は、さすが昨季56本塁打、132打点でドジャース・大谷翔平投手(31)ら十争いを制してナ・リーグ本塁打王と打点王を獲得し、オフに5年1億5000万ドル(約238億円)で再契約した大黒柱らしい。ブライス・ハーパー内野手(33)、トレア・ターナー内野手(32)、J.T.リアルミュート捕手(35)らを擁する打線の中でも、その一言が重く響き渡り、チーム内外へ波紋を広げているのは実績と立場が別格だからだ。

 実際、シュワバー自身はここまで19試合で打率2割2分7厘、7本塁打、14打点、OPS・936。長打力だけを見れば、なお打線の中心火力であることは数字が示している。だが、チーム全体が沈めば主砲の一発も勝利に直結しない。19日(同20日)のブレーブス戦でも先制の7号2ランを放ちながら、以降は打線が止まり、そのまま押し切られた。

 必要なのは誰か一人の爆発ではなく、主砲の言葉通り「結果を追う」ことよりも攻撃の形を取り戻すこと。シュワバーの発言が重く響き渡っているのはただの慰めではなく、昨季のタイトルを背負った男の現場感覚そのものだからである。