【取材の裏側 現場ノート】女子プロレス「スターダム」のひめか(25)が、2月10日に現役引退を電撃発表した。4月23日神奈川・横浜アリーナ大会でタッグパートナーの舞華と引退試合を行い、5月14日東京・後楽園ホール大会で引退セレモニーが開催される。

 引退会見でも涙を流すことなく笑顔で語り、意志の強さを感じさせたひめかを会見後に直撃した。引退後のプランについて問うと「1年くらいは何もせずに、飼っている猫ちゃんと引きこもりたい」と明るく話したが、その言葉の後には「あとは…この職業していると顔も見えない人からいろいろ言われたりとかして、自分を大切にできていなかった部分が多かった。今後は自分と周りを大切にして生きていきたい」と本音を明かした。

 コロナ禍でプロレス会場では観客が声援を送ることが難しくなり、また物販などでファンと触れ合う機会も激減。代わりに身近な発信ツールのSNSを通じてファンの声を聞く機会が増える一方で、誹謗中傷など後ろ向きなコメントも目にするようになった。

 ひめかもファンからののメッセージに悩むことがあり、自身のツイッターのコメント欄を閉じたり、相手のアカウントを非表示にするなど、対策を採ってきたが、SNSの声は引退を決断する要因の一つにもなった。

 ひめかは「スターダムって応援してる方が多い分、心ないコメントも多いと思うんですよ。良かれと思って言ってることでも、相手からしたら良くないこととかもあったりする」と現状を明かし、リングを去り行く者として「選手も一人の人間だから、心の距離まで近いとは思わないでほしい」と呼びかけた。

 残りわずかとなったプロレスラー人生を全力で突っ走る覚悟のひめかは「スキを見つけたら、そりゃベルトにも目を光らせるかもしれないんですけど…」。25歳の若さで現役を退く〝ジャンボ・プリンセス〟の姿を見届けたい。