女子プロレス「スターダム」に衝撃が走った。所属で人気レスラーの〝ジャンボ・プリンセス〟ことひめか(25)が、10日に電撃引退を発表。ワールド王者ジュリア率いるユニット「ドンナ・デル・モンド(DDM)」のメンバーで、過去にはゴッデス王座、アーティスト王座を戴冠。団体のトップを走ってきた25歳が、なぜリングを去ることを決意したのか。胸中を直撃した。

ロッシー小川EP(左)と引退表明を行ったひめか(©STARDOM)
ロッシー小川EP(左)と引退表明を行ったひめか(©STARDOM)

 ――引退を発表

 ひめか 引退を決めて(エグゼクティブプロデューサーのロッシー)小川さんと原田克彦社長には昨秋ごろお話ししました。応援してくれてるファンの皆さんの声を聞くとなかなか言い出せなくて、やっと言えたという気持ちです。

 ――引退の理由は

 ひめか 去年の1年間で自分が関われるベルト全てに関わって、自分のチャンピオン姿を想像できなかったんです。朱里とかジュリアとか間近でチャンピオンを見ていると、自分はスターダムの王者でいる責任とかファンの期待に応えることができないって冷静に考えてしまった。もちろんベルトを取ることがゴールじゃない。でも、プロレスラーとしてベルトへの欲がなくなったら、終わりだと思うんですよ。そんな気持ちで続けていると大きなケガにつながったり、結果も出ないだろうなって思ったのと、もともとデビューから5年たったら引退を考えると決めていたので、ちょうど考えるタイミングが一緒だったんです。

 ――引退の決め手は

 ひめか プロレスってケガとかなければ、何歳になってもできる職業。でも、自分の中でダラダラ続けたくはないと思って。あとはアイドルが好きだから「このグループ、人気が落ちたから解散するんだ」より、人気絶頂の時に「なんで今、辞めるんだろう」って思われた方がきれいだなって思ったので、自分が辞めるのもこのタイミングだなって思いました。

 ――昨年7月にお父さんが亡くなったことも影響したのか

 ひめか そうですね。本当に急で、単身赴任だったからまだ実感がなくて。明日朝、何食べようとか考えるけど、朝が来ない人もいるんだなとか日常が当たり前じゃないことに気がついた。その時に自分が明日もし起きられなかったらを考えると、プロレスラーのひめかっていうものだけで、人生を終えたくないなって思った。あと何よりも、まだ心が追いついてない。プロレスのことじゃなくて、父のことで結構不安定になる部分がある。それでも試合はあるので、そこを隠してプロレスラーとして生きなきゃいけないのは、心のバランスが崩れちゃうなって思いましたね。

舞華(左)とゴッデス王座を獲得したひめか(2021年3月)
舞華(左)とゴッデス王座を獲得したひめか(2021年3月)

 ――最初に引退について話した選手は

 ひめか やっぱり(タッグパートナーの)舞華でしたね。前から自分がしんどい時とか相談していたので「あ、そっか」みたいな反応でした。DDMのみんなには事前に伝えていたんですけど、みんな納得してくれて「新しい人生、若いからいい決断だと思う」ってみんな言ってくれて、引き留められなかったのでよかったなとは思いました。本当に仲間に支えられたなって思いますね。

 ――師匠の秋山準(DDT)にも報告したのか

 ひめか 事前にご報告させていただいて「ひめかちゃんがもう決めたのであれば、何も言うことはない」って言われて。最後に秋山さんとはリング上なのか対談なのか、何かしら関われたらうれしいです。

 ――引退後にやりたいこと

 ひめか 1年くらいは何もせずに飼っている猫ちゃんと引きこもりたい。あとは表に立つ職業をしていると、顔も見えない人からいろいろ言われたりとかして、自分を大切にできていなかった部分が多かった。なので自分を大切にして、自分を大切に思ってくれてる人たち、家族、舞華、仲間をしっかり大切にして、自分のことは自分で守って生きていこうって思いました。なので引退したら、もう表に立つ仕事はしないです。高望みはせずに平凡に生きていきたいですね。どこかの店で働いてるかもしれないです(笑い)。

 ――結婚は

 ひめか 「寿引退」とか、かわいいじゃないですか? だからしたかったんですけど、残念ながら結婚はしないです!

ロッシー小川EP(左)と握手するひめか(©STARDOM)
ロッシー小川EP(左)と握手するひめか(©STARDOM)

 ☆ひめか 1997年5月28日生まれ。青森県出身。2016年5月にアイドルグループ「スルースキルズ」に4期生として加入。17年6月のグループ解散後は、プロレスラーになることを決意。当時の全日本プロレス社長・秋山準の指導を受け、同年12月24日のアクトレスガールズ新木場大会でデビューした。20年3月にはアクトレスガールズを退団し、同年6月からスターダムに参戦。21年2月にはゴッデス王座、同年10月にはアーティスト王座を獲得し、団体を盛り上げた。172センチ、65キロ。