侍の主砲は慌てず、動じない――。WBC日本代表は27日、約2週間に及んだ宮崎強化合宿を打ち上げた。最終日となったこの日も「日本の4番」候補である村上宗隆内野手(23=ヤクルト)は、個人練習で黙々と振り込んだ。

 野手最年少の大砲は「ケガをしないということを前提に、しっかりトレーニングができた。WBCと(その後のシーズン)1年間を戦う体力もついた」と総括。思い描いていた練習量を積めたことが最大の収穫だった。

 なんと言っても昨季56本塁打を放って「3冠王」に輝いた実力者だ。高卒2年目から一軍に定着して急加速の成長を遂げてきた。栗山ジャパンでは押しも押されもせぬ「4番」筆頭候補。ゆえに世間の注目は大きく、調整段階の結果にも周囲は一喜一憂する。25、26日に行われたソフトバンクとの壮行試合では7打席に立ち、3つの四球を選んだが、快音は響かなかった。打線の軸だけに、周囲に不安視する向きがあるのも確かだ。

 だが、村上本人に焦りは全くない。来月9日のWBC一次ラウンド初戦の中国戦まで残された実戦は、例年のオープン戦期間よりも圧倒的に少ないが「まだ4試合ある。その中でもっと課題は出てくると思うけど、打撃練習ではいい形になってきた」と泰然自若。現在の状態を「8割くらい」と自己分析し、表情には充実感さえ漂った。

 バッターボックスでのドッシリとした構え同様、不動心で振り込んできた宮崎での日々は頼もしく映った。この日、報道陣から投げかけられた希望打順についても「もちろん4番に座りたい気持ちはあるけど、一番いいところは監督さんが決めること。どの打順でも自分の力を発揮したい。(局面で大事な)打点を稼ぎたい」と堂々と答えた。

 中軸を担う鈴木誠也外野手(28=カブス)が左脇腹の張りを訴えて、WBC出場が不透明な状況に追い込まれている。どこまでもドッシリとたたずむ23歳の存在が、侍の希望となることは間違いない。