NPBの三冠王に、メジャーの一流も文句のつけようがなかった。WBC日本代表の宮崎強化合宿は21日、第2クールがスタート。実戦形式の打撃練習「ライブBP」で、侍の4番候補・村上宗隆内野手(23=ヤクルト)がダルビッシュ有投手(36=パドレス)から豪快な一発を放ち、強烈なインパクトを残した。

「公開処刑すんなよ!」。ダルビッシュが思わずツッコミを入れるほどだった。追い込まれてからの4球目、真ん中に入ってきた高めツーシームを振り抜くと、打球は風にも乗ってバックスクリーンへ。23歳の若きスラッガーは「思い出になりました」と謙遜したが、三冠王の実力を見事に証明してみせた。

 MLB通算95勝右腕の証言に、村上のすごみが凝縮されていた。「あの球をあんなに簡単にはメジャーの打者も打てない。それを一発で打ったんでビックリした」。メジャーで名だたるスラッガーと対峙してきた男は、その才能を瞬時に認めた。「本物だと思ったし、雰囲気もある。打席での目とか、集中した時は怖い」。恐れを感じるほどの威圧感があった。

 リップサービス抜きの評価であることは、その本気度からも明らかだった。予定の20球を投げ終えた後、ダルビッシュは村上との再戦を要求。だが、結果は2球目の外角スライダーを左前へ運ばれ「おかわりしといて、しっかり打たれたので恥ずかしかった」と苦笑いを浮かべるしかなかった。

 ガツンと放り込まれた直後の打席で逆方向への軽打。ダルビッシュはその対応力に舌を巻いた。「本人が『外からのスライダーが来ると思いました』と言っていたんで、そういうところも頭がいい」。まさに、非の打ちどころがなかった。

 直接対決の後、村上はこう明かした。「球が速いのは分かっているし、投げ方も分かっている。正直、昨日の夜から対策を練っていた。結果が出たので、対策は間違っていなかったと思いました」。初めて対峙するメジャーの一線級を相手にしても対策を誤らず、しっかり結果を出し切るところに真価があった。

 世界一を目指す侍ジャパンの主軸を担う23歳に「いずれメジャーに行く可能性もある。日本の選手の評価を変えられる選手」とまで言ったダルビッシュ。わずか6球の勝負に、日本の至宝たるゆえんが詰まっていた。