〝村神様〟は背中の大きさも別格だ。2022年のプロ野球界を象徴する男はもちろん、セ・リーグ連覇を果たしたヤクルトの村上宗隆内野手(22)。日本選手最多の56号本塁打を放ち、令和史上初の3冠王にまで輝いた。そんな主砲は後輩にも強い影響力を与えている。その姿を遊撃手部門でゴールデン・グラブ(GG)賞を初受賞した21歳の新鋭・長岡秀樹内野手が明かした。
3年目の22年シーズン、スタメンに定着した長岡は8月中頃、バッティングに悩んでいた。そんな中、「練習後にムネさんから『ちょっと秀樹、バット持ってこい』と呼び出された」という。
「鏡の前でバッティングフォームとか、全力で教えてくれて。その日の広島戦の試合、9回でヒットが打てたので、ベンチを見たら誰よりもムネさんが大喜びしてくれていた」。村上は自分のことだけじゃなく、視野を広く持つ兄貴肌な一面を持っている。
さらにこうも続ける。「ピンチでマウンドにいるピッチャーに声をかけられるようになったのもムネさんがきっかけ。基本的に投手は先輩が多いので」と、それまでは投手に自ら声掛けをすることはなかったという。
「9月11日のDeNA戦で『お前いけ!』って。その日から投手に声をかけられるようになった」と振り返る長岡は以降、先輩への遠慮も消えてのびのびとプレーできるようになった。そのおかげか、ついにGG賞の常連だった巨人・坂本の牙城を崩すまでに至った。
技術的にも、精神的にもチームを引っ張っている村上。さらに球団関係者によるとネガティブになっているところを見たことないという。
「56号が出るか出ないかのときも『俺だよ。俺ができなかったら誰ができる。今までどんなことでも乗り越えてきた俺だよ』って言っていた」。〝産みの苦しみ〟に悩むどころか、重圧を力に変えてさまざまな記録を塗り替えた村上の精神的な強さに誰もが感嘆したという。そんな強気な姿勢にナインは常に勇気づけられた。
村上は確かな実力と大きな背中で、23年シーズンもチームを日本一奪還へと導く。












