西武・松井稼頭央新監督(47)が四半世紀ぶりにシーズン200盗塁を目指す。

 10月の就任会見で松井監督は目指すチームの方向性を「どう1点を取るか。投手のレベルが上がり、なかなか1点が取れない中、山川という(打線の)軸がいる中で足を使った積極的な野球になる。エンドランだったり、小技が非常に大事になる。グラウンドを駆け巡る選手たちを想像しながらやっていきたい」と足に活路を求めるスタイルに言及した。

 シーズン792得点、196本塁打(2018年)、756得点、174本塁打(19年)という破壊力でどこからでもビッグイニングを作れた超強力打線は浅村(現楽天)、秋山(現広島)というキーマンのFA流出で弱体化。22年シーズンはついにチーム打率2割2分9厘(リーグ最下位)、464得点(同5位)、118本塁打(同1位)と打線のバランスが崩れかつて「山賊」の異名を取った強力打線は完全解体を余儀なくされた。

 さらに4番・山川に次ぐポイントゲッターの森までがオリックスへFA移籍。現状常に山川の前後をフォローできるスラッガーは見当たらず、攻撃面に関して西武の23年シーズンはより厳しい状況が予想される。

 そこで、新監督は現役時代に自身の代名詞でもあった「足」に活路を求めたわけだが、この状況は松井監督自身が世に認知された1997年に似ている。

 当時の西武はチームの主砲・清原が96年オフに巨人へFA移籍。チームの得点源を失った東尾監督は「Hit! Foot! Get!」と新スローガンに足を使った攻撃で点を奪うという意図を明確にした。

 シーズンが始まると1番・松井稼(62盗塁)、2番・大友(31盗塁)、3番・高木大(24盗塁)の上位3人で計117盗塁。チーム全体では14年ぶり、NPB史上13度目の「シーズン200盗塁」を記録し3年ぶりの覇権奪回。以後、この数字を達成したチームは現れていない。

 当時と同様にチームが過渡期にある今、松井監督は指揮官として再び、この数字を目指し改革を進めていこうとしている。編成的にも左ひざの大ケガから完全復活を目指す若林を筆頭に愛斗、金子がいて走攻守の総合力が売りのドラ1・蛭間、そして元々が強力打線の中でつなぎ役としてチャンスを作ってきた源田、外崎も走塁への意識を改める年となる。

 さらにいえば、97年の200盗塁目を決めたのは控え捕手の今久留主だっただけに古賀、柘植、岡田といった捕手陣、そして中村、栗山というベテラン陣にもその意識改革は求められてくる。

 松井監督が「見ていてワクワクするチーム。やっぱり躍動感のある走攻守でしょう」と力説する走塁改革に、新生西武は明確な活路を見いだそうとしている。