ドジャー・スタジアムに怒号が飛び交った。ドジャース・大谷翔平投手(31)が16日(日本時間17日)の本拠地フィリーズ戦で5回無安打無失点の圧巻投球を披露するも、デーブ・ロバーツ監督(53)は予定通りの「5回降板」を〝強行〟。その直後にブルペンが大炎上し、一度は大谷の50号ソロなどで追いつくも逆転負けを喫した。SNS上では「FIRE ROBERTS(ロバーツをクビにしろ)」の声が飛び交い、采配ミスが監督解任論に直結する異例の展開へと発展している。

 米スポーツ専門局「ESPN」や米メディア「スポーティングニュース」がリポートした通り、ドジャースファンにとってこの日のフィリーズ戦はまさに「悪夢」そのものだった。大谷は最速101マイル(約162・5キロ)を計時した速球と鋭い変化球で強力なフィリーズ打線をねじ伏せ、5回をわずか68球、無安打無失点、1四球5奪三振。最後の13打者を連続アウトに仕留め、今季最高とも言える内容で試合を支配していた。

 ところが、ロバーツ監督は「当初からの予定」を理由に大谷を5回で降板させた。負荷管理を優先したという説明だったが、これに多くのドジャースファンやMLB有識者が首をかしげたのも無理はない。交代直後に送り込まれたリリーフ陣があっけなく炎上し、わずか数分で4点リードは霧散した。フィリーズ4番・マーシュの11号3ランなど5連打を浴びて4―0から一気に4―6へ逆転され、大谷の今季2勝目も消滅する展開に球場は騒然。スペインメディア「マルカ」(英語版)も「理解不能の采配」と強調し、SNSでは批判が爆発した。

50号ソロ弾を放った大谷翔平(ロイター)
50号ソロ弾を放った大谷翔平(ロイター)

 試合はその後、二刀流を解除して打席に立った大谷が8回に1点差に迫る50号ソロを放ち、MLB史上6人目となる2年連続50本塁打を達成。さらにコールの犠飛で同点に追いつく場面もあった。しかしブルペンは再び打ち込まれ、最終的に6―9で敗戦。試合後のスタジアムには大ブーイングが響き渡り、観客4万4000人以上がイラ立ちをあらわにした。

 米メディア「クラッチ・ポイント」は「大谷の快投と快挙をすべて無にした」と指摘。ロバーツ監督は試合後、無安打投球を続けながら球数に余裕があったにもかかわらず大谷を5回で降板させたことについて「長期的な健康を考えた決断」と説明したが、各主要メディアやファンは当然ながら納得しない。「X」では「68球で交代? あり得ない」「ロバーツはわざと負けようとしているとしか思えない」と怒りの書き込みで大炎上状態となり、加えて「無能采配」「FIRE ROBERTS」のハッシュタグも拡散。ドジャースファンが声をそろえて解任を求める異常事態となっている。

 ロバーツ監督は今季ここまで不可解な采配や選手起用を繰り返してきたことから、ファンの不信感を募らせてきた。しかも球団は3月に2029年までの契約延長を発表したばかりで、解任を求める声とのギャップは大きい。アンドリュー・フリードマン編成本部長(48)らフロント主導での負荷管理方針に従ったともされるが、ロバーツ監督の求心力は著しく低下している。

 対戦相手のフィリーズは、すでにナ・リーグ東地区優勝を決めた強豪。ドジャースも西地区優勝に向けて歩を進めている状況下だけに、負けられない局面だった。ポストシーズンでも再び激突する可能性がある相手に痛恨の采配ミスで敗れ、同カード2連敗で負け越したことが、ファンの怒りを一層増幅させている格好だ。

 残り試合はわずか11。ブルペンの不安と采配への疑念を抱えたまま、ロバーツ体制は正念場を迎えている。結果的に大谷の偉業すらかき消してしまうような〝不可解采配〟が繰り返される限り、ファンの「解任コール」は収まる気配を見せない。