皮肉にも、勝ち星以上に異名が騒がれ始めた。ドジャース・佐々木朗希投手(24)に、新たな呼び名が生まれつつある。

 23日(日本時間24日)のブルワーズ戦(アメリカンファミリー・フィールド)で5回3失点(自責2)、4奪三振。初回に3点を失いながら2回以降は立て直し、テオスカー・ヘルナンデス外野手(33)の6打点などでチームは11―3で逆転勝ちした。佐々木はメジャーのレギュラーシーズンで自身初の2登板連続勝利となる今季3勝目。だが、米メディアが注目したのは白星そのものではなく、その振れ幅だった。

 ロサンゼルスの地元紙「カリフォルニア・ポスト」は「ジェットコースター『ロキ』が土曜日に復活した」と表現。前回17日(同18日)のエンゼルス戦では7回1失点、自己最多8奪三振、無四球の快投を演じた一方、この日は初回だけで35球を費やす苦しい立ち上がりだった。先頭のチョウリオに二塁打を浴び、トゥランにも適時二塁打。自らの送球ミスも絡み、いきなり3点を背負った。

 それでも崩れ切らなかった点に、今の佐々木の変化がある。2回は二死一、二塁をしのぎ、3回から5回までは3イニング連続で三者凡退。直球、スライダー、スプリットを組み合わせ、ゾーン内で勝負する姿勢を取り戻した。デーブ・ロバーツ監督(53)も「登板するたびに学び、メジャーリーグの投手として成長しているように見える」と評価。試合前にも以前より迷いが消え、投球のテンポやコーチ陣との意思疎通にも自信が見えると語っていた。

 米スポーツ専門局「ESPN」も同日の番組「スポーツセンター」で、アンカーが「さながら彼はジェットコースターのようだ」と形容した。快投と乱調、圧倒と不安定が同居する右腕。そのイメージから、ジェットコースターの頭文字を取った「JC」というネーミングが定着するのではないかとの見方も広がり始めている。

 実際、佐々木はここ4登板連続で5回以上を投げ、3失点以下に抑えている。この間の防御率は3・91、奪三振21、四球5。開幕当初の5登板では見えなかった安定感が、乱高下の中から少しずつ形になってきた。

 大谷翔平投手(31)らを擁する世界一軍団で、佐々木に求められるのは派手な一夜の快投だけではない。悪い日でも試合を壊さず、打線に逆転の時間を渡すことだ。

 ジェットコースターはまだ揺れるかもしれない。ただ、その軌道はやっと上向き始めているようだ。