虎の未来図が一気に現実味を帯びた。阪神のドラフト1位ルーキー・立石正広内野手(22)が24日の巨人戦(東京ドーム)に「1番・三塁」で先発出場し、プロ1号2ランを含む5打数2安打2打点。チームも破竹の5連勝で敵地スイープを飾り、ついにセ首位へ返り咲いた。他球団が最も恐れているのは、負傷離脱中の近本光司外野手(31)が復帰した後にスコアボードへ並ぶ「完全体」の猛虎打線だ。黄金時代到来を象徴するような光景が、フィールド上に広がろうとしている。
鮮烈なデビューウイークを、記念すべき一発で締めくくった。1―0の5回二死一塁でこの日3度目の打席に入った立石は、カウント1―1から外角高めの147キロ直球を強振。逆方向へ伸びた白球はフェンスを楽々と越え、オレンジ色に染まる右翼席中段へ飛び込んだ。
何度もガッツポーズをつくりながらダイヤモンドを一周した22歳は「本当にうれしかった。ベンチでは佐藤(輝)さんに何度も『おめでとう』と言っていただきました」と喜びをかみしめた。19日の中日戦(倉敷)から一軍に昇格して以降、5戦合計で22打数9安打、打率4割9厘。1本塁打5打点、OPS1・000と圧巻の数字を残している。5月に入ってやや停滞感のあった虎も、立石の合流と同時に一気に連勝街道へ乗った。
「立石はやっぱりモノが違う。ある程度一軍でも通用するだろうとは見ていたが、それ以上だ」。敵情視察に訪れていた他球団スコアラーも衝撃を隠せない様子で「これで近本まで戻ってきたら、阪神打線はどうなってしまうのか」と警戒を強める。
左手首の骨折で離脱中の近本が戦列に戻れば、森下翔太外野手(25)、佐藤輝明内野手(27)、大山悠輔内野手(31)、そして立石による「ドラ1クインテット」がスタメン表に名を連ねることになる。それ以上に象徴的なのが、彼らの背番号だ。
現状のメンバー構成なら、中堅・近本(背番号5)、二塁・中野拓夢内野手(29=同7)、右翼・森下(同1)、三塁・佐藤輝(同8)、一塁・大山(同3)、左翼・立石(同9)、遊撃・木浪聖也内野手(31=同0)、捕手・梅野隆太郎(34=同2)と、現代のプロ野球では極めて珍しい「背番号オール一桁」のラインアップを組むことも可能になる。虎のチーム関係者も「その日は遠からず来るでしょうね」と、フルメンバーがそろった「完全体の虎」を思い描く。
能力を見極め、入団時から期待の大きさを示す背番号を託された上位指名選手たちが順当に成長し、主力としてグラウンドに立つ。まるで高校野球のような一桁背番号オンリーの野手陣は、猛虎編成が10年がかりで取り組んできた生え抜き育成路線の結実でもある。
〝史上最強の虎〟が完成する瞬間は、もう目の前まで来ている。












