失意の帰国を経て――。ソフトバンクのイヒネ・イツア内野手(19)はこのオフ、入団前から憧れを抱いていた柳田悠岐外野手(35)の自主トレに志願参加している。

 ドラフト1位で注目を集めたルーキーイヤーの昨季はケガに泣いた。7月に四軍戦の守備で左親指を骨折して手術。球団から派遣された昨秋の台湾ウインターリーグ(WL)では、11月30日のゲームで二盗を試みた際に再び左親指を骨折した。直近のケガだけに「柳田塾」参加も危ぶまれたが、本人の練習姿勢からは強い参加希望がうかがえた。

 不参加の選択肢はないと言わんばかりだった。「あー、そうでしたね。ケガしてましたね。でも、大丈夫です。見ての通り普通にやってます。治り、早いっす。2回やってますが、ケガに強いのか、弱いのか分かんないです」。患部を何度もさすり、見つめながら、報道陣の問いかけにそう答えた。超一流のエキスを吸収する願ってもないチャンス――。柳田と衣食住をともにする時間を心の底から欲していたのは事実だった。

 そのポテンシャルの高さから将来的に「トリプルスリー」(シーズン打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成する逸材として大きな期待を寄せられている。18日に公開した練習で、キャッチボールのコンビを組み、打撃練習では片時も離れずスイングを見守った柳田は「吸収が早いんですよ。スポンジのように吸収する。まだまだ2年目でやることはたくさんあると思うけど、毎日、自分で考えてケガせずに野球をやってほしい」と才能開花を願った。

 痛いかゆいを言わず、目を輝かせてやってきた19歳。聡明な柳田が、その気概を見抜いていないはずがなかった。