名門の空気が一夜で変わったわけではない。勝てない現実を前に、レッドソックスの迷走だけが濃くなっている。
米メディア「スポーティングニュース」は、アレックス・コーラ前監督(50)の解任を巡る波紋を報じた。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」などで敏腕記者として知られるケン・ローゼンタール氏が、同球団を「機能不全、過剰反応、責任転嫁においてリーグトップ」と痛烈に批判したことをクローズアップ。25日(日本時間26日)に10勝17敗の段階で、レッドソックスのフロントが2018年に球団記録の108勝とワールドシリーズ制覇へ導いた指揮官を切った判断は球界に大きな衝撃を与えているようだ。
その混乱は今も、試合結果にもにじんでいる。レッドソックスは28日(同29日)、敵地ロジャーズ・センターでブルージェイズに0―3で敗戦。相手先発イェサベージに5回1/3を無得点に封じられ、岡本には3回に先制2点打を浴びた。前日に5―0で勝利し見えかけていた新体制の反発力は一夜でしぼみ、連勝は3で停止。通算12勝18敗となり、ア・リーグ東地区最下位で首位ヤンキースとは8ゲーム差に開いている。
苦境の中で、吉田正尚外野手(32)の現在地も相変わらず微妙だ。この日は「6番・DH」で先発し、3打数1安打。今季は打率2割6分5厘、0本塁打、5打点、OPS・716。出塁率3割9分は一定の存在感を示す一方、長打力と得点力に苦しむ打線を一気に変えるところまでは届いていない。
3Aウースターを率いていたチャド・トレーシー暫定監督(40)の昇格は、チーム内の序列を組み替える契機にもなる。若手をよく知る新指揮官の下では、実績よりも今の機能性が優先される。吉田にとっては起用増の好機であると同時に、打撃専念型の立場を改めて査定される局面でもある。コーラ解任で責任のほこ先はベンチから外れた。次に問われるのは、低迷する打線の顔ぶれそのものだ。












