ア・リーグ中地区のガーディアンズは28日(日本時間29日)、本拠地クリーブランドでのレイズ戦に0―1で敗れて4連敗。地区2位ながら15勝16敗で勝率5割を割り込んだが、試合結果以上にスタンドで起きた〝強奪騒動〟が米メディアに大きく取り上げられている。

 発端は前日27日(同28日)の一戦。5回の攻撃でダニエル・シュニーマン内野手(29)が反対方向の左翼席へ先制4号2ランを叩き込んだ。プログレッシブ・フィールドは歓声に包まれたが、ボールが飛び込んだ観客席での行動が大きな物議を醸した。落下地点ではヒゲをたくわえた大柄な男性が待ち構え、両手で捕ろうとしたもののはじいてしまった。すると、勢いをなくして転がったボールを、近くでしゃがみ込んでいた少女が幸運にもゲット。捕り損ねた男性は少女のもとに駆け寄ってボールを奪い取り、自分の席に戻ってしまった。

 席に戻った少女は今にも泣きだしそうな表情で抱き寄せられ、一連の模様は両球団の地元放送局でも放映された。同様のシーンはSNS上に瞬く間に拡散され、米メディア「THE SPUN」はこの日「大人の野球ファンが幼い少女から故意にホームランボールを奪うという実に恥ずべき出来事が起きた」と断じるとともに、その後のてん末を伝えた。

 それによれば、騒動があまりに大きくなったためか、男性は状況を重く見た相手球団のレイズの専属リポーターであるライアン・バス氏を介して少女にボールを返却。自身のSNSに「皆さんが見逃したのは、私が少女にボールを渡した瞬間です。私がボールを持ち続けたわけではありません」と投稿した。

 一方、母親はレイズのファンクラブのFacebookに「クリーブランドのママです」と書き出し「皆さん、あの男が私の娘からボールを奪うところを見ましたよね。その男に息子がボールを返してくれと頼みに行ったこともご存じでしょう。本当に勇敢な行動でした。クリーブランドの放送局がボールを奪われる場面を映す代わりに子犬の映像に切り替えた一方、その場面をタンパの放送局が放送してくれたことに心から感謝したいと思います」などとつづった。

 さらに、間に入ってくれたバス氏らに「いくら感謝しても足りません。これこそ最高のスポーツマンシップです。娘と私はうれし涙を流しました。タンパとそのファンの皆さんにも心から感謝しています」とメッセージを送っている。