高額年俸軍団が、ついに荒療治へ踏み切った。ナ・リーグ東地区でどん底に沈むフィリーズは28日(日本時間29日)、本拠地フィラデルフィアのシチズンズバンク・パークでジャイアンツに7―0で快勝。ロブ・トムソン監督(62)の解任を受け、ベンチコーチから急きょ指揮を執ることになったドン・マッティングリー暫定監督(65)の初陣を白星で飾った。
米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、オフにベンチコーチとして招かれたマッティングリー監督が、低迷球団の救済役を担うことになったと報じた。フィリーズは昨季まで4年連続でポストシーズンに進出してきたが、今季は試合前時点で9勝19敗。大金を投じた勝負球団とは思えない失速ぶりが、政権交代の引き金となった。
それでも初陣だけは、暗い空気を一変させた。先発左腕ヘスス・ルザード投手(28)が7回2安打無失点、8奪三振、無四球の快投。トレイ・ターナー内野手(32)が4安打で打線をけん引し、ブライス・ハーパー内野手(33)、アドリス・ガルシア外野手(33)らも中盤の集中打に絡んだ。6回に一挙4点を奪い、2安打に封じられた相手をのみ込んだ。
ただし、これで危機が消えたわけではない。試合後のフィリーズは10勝19敗で、ナ・リーグ東地区ではメッツと並ぶ最下位。首位ブレーブスとは10・5ゲーム差、直近10試合も2勝8敗と傷は深い。カイル・シュワバー外野手(33)はトムソン前監督への責任を口にし、JT・リアルミュート捕手(35)も新指揮官の闘争心を評価したが、選手側に突きつけられた現実は重い。
マッティングリー暫定監督はドジャース、マーリンズで監督経験を持つ一方、今冬には「監督業は終わった」と語っていた人物でもある。それでもデーブ・ドンブロウスキー球団編成本部長(69)の要請を受け、今季限りの緊急登板に応じた。そうした背景もあり、同サイトは「急場しのぎのマッティングリー体制で劇的な変化は臨めない」と再建は困難であるとの見通しを示している。確かに完封勝利は再出発の号砲になったが、フィリーズが本当に変わったかを示すにはまだ1勝では足りない。












