大日本プロレスの〝破壊王2世〟こと橋本大地(30)が、試合中に起きたアクシデントで頸髄損傷を負った大谷晋二郎(49)の「復帰待望論」に〝待った〟をかけた。

 10日のゼロワン両国大会で大谷はノア・杉浦貴が持つ世界ヘビー級王座に挑戦。15分過ぎにジャーマンでコーナーのターンバックルにたたきつけられてから全く動かなくなり、レフェリーストップで試合が終了した。

 同団体でデビューした大地は、かつての師匠の負傷を受けてツイッターに「引退しなくてもいいから試合もしないでほしい、元気になって戻ってきてくれたらいいです、ボロボロになっていくのをこれ以上見てられないです」と率直な思いをつづっていた。

 こうしたコメントを発信した意図について、大地は「大谷晋二郎で検索したら『頑張れ』『いつかリングに戻ってくる姿が見たい』とか、そういうコメントが多かったんですよ」と切り出し、次のように語った。

「僕は『いやいや待ってくれ』と思いました。大谷晋二郎は戻って来てくれと言ったら戻っちゃう人ってわかっているから、もういいよと。代表取締役とか、ゼロワンの顔になってやればいいだけの話で、僕はそれ(過度な期待)がすごく無責任に思えてしまったんです」

 古巣で深い関係を築いていたからこそ、大谷の責任感の強さを感じているという。「僕はあの人の下にいたからこそ止めないといけないと。ボーダーラインみたいなものがあると思って、それは越えちゃいけない。でも、あの人は越えてるんですよ。だから、誰かが『もういい』と言わないと。そうしないと、本人が決断できないかもしれないじゃないですか」と語気を強めた。

 14日の後楽園ホール大会で大地は、菊田一美にシャイニングウィザードを決めて勝利。16日札幌大会で神谷英慶と持つBJW世界ストロングヘビー級王座V2戦(菊田、宮本裕向組)の前哨戦を制して弾みをつけた。