久しぶりの一軍マウンドで躍動した。広島は29日の阪神戦(マツダ)に5―0で勝ち、4連勝で4位タイに浮上した。ヒーローは床田寛樹投手(26)で、6回5安打、自己最多の10奪三振、無失点と好投し、5か月ぶりとなる2勝目を挙げた。

 今季前半戦は持ち球のスライダーが曲がらず苦しんだ。二軍に降格し、久しぶりに床田の投球を見た東出二軍打撃コーチから「ちょっとヒジ低くなったか?」と言われた。映像を見直し「気持ち、ヒジの位置を上げたら曲がるようになった」と床田。

 そのスライダーを効果的に使って阪神打線を翻ろうし、試合後は「三振はできすぎなんですけど、初回に点を取ってもらったので楽に投げられました」と笑顔を見せた。

 そんな左腕は18日に引退したクリス・ジョンソンから教えを受けている。「KJ(ジョンソン)はすごく精度が高いのでどういうイメージで投げてるのか聞いた」。目標はジョンソンのように先発ローテを支える左腕になることだ。

 ただ、その道のりは平たんではないことも十分に自覚している。「今は(立場的に)一番下という感じなので自分の投球をして、信頼を得られるように頑張りたい」。それでもまずは再スタートの第一歩を踏み出した。