赤ヘルのルーキーに球界で同情論が巻き起こっている。球団の垣根を越えて波紋を呼んでいるのが、広島・小園海斗内野手(19)の、今月上旬に行われた契約更改。200万増の1000万円(推定)でサインしたわけだが、これに「かわいそうだ」との声が噴出している。

 今季の小園は高卒ルーキーながら開幕一軍ベンチ入りを果たすと、夏場以降は不振の田中広に代わって遊撃に定着。58試合で打率2割1分3厘、4本塁打、16打点の結果を残した。一軍出場は同期の高卒ルーキーの中ではダントツ。同じ“高卒ビッグ3”の根尾(中日)が2試合で無安打、藤原(ロッテ)が6試合で2安打に終わったのと比較すれば出色の数字だ。

 だがプロの評価である“カネ”ではまだ2人に及ばない。今月19日に契約更改した根尾は200万円減の1300万円(推定)でサイン。1年目より縮まったとはいえ、根尾とは300万円の差がある。フレッシュオールスターMVPの賞金で根尾と藤原に食事をおごらされた際「なんで僕が…」とこぼしたのは本音も交じっていた。

 広島の先輩選手も「一軍にいるべき選手なんだから、せめて最低年俸(1500万円)に色を付けたぐらいは出してあげてほしいよね」と球団をチクリ。そもそも小園の1年目の年俸に関しては、ドラフト直後から「4球団も競合(広島、DeNA、ソフトバンク、オリックス)したのに、広島が引いたからといって上限(1500万円)もらえないのは問題だ」との声がプロ野球選手会の内部でも上がっていた。

 今季を振り返り「すごくいい経験をさせてもらった」と殊勝に話す小園。悔しさをバネに来オフこそはバラ色の評価をつかみたい。