阪神のピアース・ジョンソン投手(28)にナインから“残留願い”が飛び出している。来日1年目の今季はセットアッパーとして58試合に登板し防御率1・38と抜群の安定感を誇った。球団側は「それなりに見合った条件を考えている。複数年契約の可能性もゼロではない」(谷本球団本部長)と大型契約を準備して必死の引き留めを試みているが、シーズン中からメジャー球団も熱視線を送るなど予断は許さない状況だ。

 中継ぎエースの流出となれば15年ぶりの優勝を狙うチームにとっても大打撃となる。ナインも気が気ではなく、ある投手は「CSの最後に戻ってきてくれたようにナイスガイ。今年はPJ(ジョンソン)という絶対的存在がいたことで投手陣みんなが結果を出せた。何とか連絡を取って残ってほしいという思いを伝えたい」と口にする。シーズン中には投手陣がジョンソンを囲んで食事会を開催し、野球談議に花を咲かせるとともに来季の残留を猛プッシュすることがあったそうで、オフになっても“遠隔操作”による残留要請をしようというわけだ。

 本来なら助っ人は日本人選手にとってライバル。異例の好かれぶりは、それだけチームにとって不可欠な存在だということ。さらに「ジョンソンがいるか、いないかでリリーフの台所事情は大きく変わる。流出すれば戦力ダウンになるのは間違いない」(あるセ球団スコアラー)とライバル球団もその動向を注視するほど去就は注目の的となっている。

 帰国の際には「来年のことは具体的には何も決まっていない。何も言えない」と態度を保留させたジョンソンだが、その心や、いかに…。