連覇・西武に“松坂復帰”構想 渡辺GMが注目発言

2019年09月25日 16時35分

「ライオンズのレジェンド」松坂

 西武が24日、2年連続23度目のリーグ優勝を決めた。最大8・5ゲーム差をはね返す逆転劇で最後はソフトバンクを振り切った。そうした中、去就が注目されている中日・松坂大輔投手(39)が、古巣復帰を果たす可能性があることが分かった。復帰となれば、実に2006年以来13年ぶりとなる。本紙の直撃に渡辺久信GM(54)が語った注目の発言内容とは――。

 松坂といえば西武時代に108勝(60敗)を挙げ、メジャー移籍時には球団に約60億円もの恩恵(移籍金)をもたらした「投のレジェンド」。だが、2015年の日本球界復帰以降は不遇続きで、野球よりもそれ以外の話題がニュースになることが多く、昨年移籍した中日で6勝をマークしたものの今季は勝ち星なし。本人は現役続行を強く希望しているものの、戦力外通告を受けてもおかしくない状況となっている。

 そんな西武の大功労者の現状に、チーム関係者の多くは「ウチに戻ってきていたら、こんなにひどい扱いは受けなかったのに…」と心を痛めているのだが、そもそも14年オフのソフトバンク移籍時、そして中日へ移籍した17年オフの2度にわたって古巣・西武が獲得に向けた大きなアクションを起こさなかったことで、両者の間には大きな溝ができてしまった。

 17年当時、松坂は「もうライオンズが僕に声をかけることはないと思いますよ。僕が(前オーナーの)堤さんが残した遺産だからなんですかね。球団からも堤派は排除されていると思うので」と、笑いながらも寂しそうに古巣復帰の可能性を否定していた。

 しかし、ソフトバンクに続き中日からもお払い箱となろうとしている現状に、西武の球団内からは「今、本当の意味で松坂を救ってあげられるのはウチしかないと思う。大輔ならまだまだ若手投手陣の手本になれるし、稼頭央(松井二軍監督)にあれだけの花道を作ってあげたんだから(球団に)60億円を残してメジャーに行った大輔にだってキチンとした形で恩を返すべき」という機運が再び高まっている。

 今季から名実とも編成トップに立った渡辺GMも松坂の西武復帰構想を温めているようで、実際、リーグ優勝直前の本紙の直撃に対し「その件はまだウチがこうして優勝争いをしているので何とも言えない。特に松坂を獲る、獲らないとかオレの口からは言えないけど、シーズンが全部終わってから考える」と西武復帰の可能性がゼロではないことを明言。

 さらに「(獲得するなら)戦力として必要だと思ったらだよ。(理由が)他のことだけだったら逆に松坂に失礼かなと思う。それはいろいろ考えるよ。何がいいかっていうのは。シーズンが終わってから…。だって、まだ大輔は中日を辞めるわけじゃないでしょ?」と、この案件に関して、すでに構想にあるような口ぶりで言及したのだ。

 17年オフに将来の監督候補とするべく、松井二軍監督を楽天から戻した仕掛け人・渡辺GMが、もう一人の「ライオンズのレジェンド」をどういう形でチームに戻すのか。その手腕が注目されている。

【過去2度、復帰のチャンス】松坂の西武復帰に関しては過去に2度、そのチャンスはあった。

 2014年オフの日本球界復帰時には西武も水面下で獲得の可能性を探っていたようだが、代理人が介在しソフトバンクが推定「3年12億円」もの巨額オファーを提示していたことから当時のフロントが早々に白旗。マネーゲームには参加しない球団方針により、正式オファーには至らぬまま断念した経緯がある。

 そのソフトバンクを自由契約となった松坂は17年オフ、今度は国内3球団目となる中日にテスト入団。松坂の西武時代を知る森繁和監督(現シニアディレクター)、デニー友利投手コーチ(現編成部国際渉外担当)の計らいで「球界の功労者に花道を」と新天地を与えられた。ただ、これはある意味で動かぬ古巣に業を煮やした西武OBが西武へ当てつけた救済獲得のようでもあった。

 この時、西武内には「今こそ松坂を戻す時」という声があったが、当時の鈴木葉留彦本部長は「(過去の功労は)別として考えないと。選手として使えるか使えないかだよ」とニベもなくこの機会を静観していた。

 と同時に、このタイミングは渡辺久信シニアディレクター(現GM)が数年温めていた楽天・松井稼頭央内野手(現二軍監督)の帰還作業ともバッティング。時期的不運も重なり、松坂は自分から発信するわけにはいかない古巣復帰への思いをのみ込まざるを得なかった。

 思いはあっても結ばれない西武と松坂のこじれた縁。その関係を正常に戻すため今回、渡辺GMがレジェンド復帰へと尽力しているわけだ。