日本ハム・原田豊二軍総合コーチ プロとは無縁だったのに50代半ばでに突然スカウトに

2019年08月15日 11時00分

プロ経験なしという異色の経歴を持つ原田コーチ

【球界を支える異色野球人】50歳を超えてからの就活を経てプロの指導者に――。そんな異色の経歴を持つのが日本ハムの原田豊二軍総合コーチ(60)。今季から若手の指導に携わっている。

 山口県立柳井高から東海大に進学。同大野球部では巨人・原監督と三遊間を組んだ経験もある。大学卒業後の1981年から社会人の協和発酵で選手、監督として活躍。同社退職後の2012年には母校・柳井高の野球部監督として手腕を振るうなどプロ野球界とは無縁の人生を歩んでいた。

 ところが54歳になって転機が訪れた。

「柳井高で1年半ほど指導した後に監督を退任したのですが、自分の中ではまだ指導者としてやりたい気持ちが強くて。知り合いの野球関係者に就職活動を試みた。そんな時に大学時代の先輩を介して吉村さん(浩氏=現球団統括本部長兼GM)にお会いすることができ、話が進みました。私は山口出身なので14年からチームの九州地区スカウトを任されることになったのです」

 指導者を希望していたはずが、まさかのスカウト。しかもアマの逸材をプロに送る重要な役割である。当初は戸惑いを隠せなかったが、50代半ばでの新たな挑戦。自らを成長させるうえで有意義な時間だったという。

「正直なところ、野球好きであれば、プロ経験などなくてもスカウトすることはできる。でも、プロのスカウトはそれだけでは許されない。選手の将来を予測する“目”が必要となる。例えば高卒新人選手を獲得しても育成して3、4年後に一軍で活躍できるのか。おのおのの選手の成長力を見極めるのが非常に難しい。そうした眼力をスカウトで養えたことは、自分にとって大きかった」

 5年間のスカウトを経た昨オフ、二軍総合コーチとして白羽の矢が立った。60歳の誕生日を控えた中での抜てき。「最初は冗談というか、還暦祝いの一環かなと思った」そうだが、現職就任から半年以上がたった今ではアマ球界の息吹をチームに取り込む欠かせない存在になりつつある。

「アマチュア側から見るとプロ野球界は子供の頃から野球一筋の人たちが多いため、いろいろな意味で職人かたぎが強い。だからこそコーチのやらせたいことと選手のやりたいことがかみ合わず溝が生まれたりする。そういうことが起こらないよう、私は真ん中に立ってアドバイスをしています。その中で、少しでも若手や二軍選手が今までより近道というか、短期間で一軍に上がれるような環境をつくっていきたい」

 還暦を過ぎてなお指導熱が高まるアマ出身コーチ。チームの潤滑油として今後も若手育成に尽力する。