DeNAは3日のヤクルト戦(神宮)に7―2で競り勝ち引き分けを挟んだ連敗は3でストップ。2―2の延長10回に代打・筒香が勝ち越しの左犠飛をマークすると、この回だけで一気に合計5点を挙げ、ゲームを決めた。
殊勲の筒香がヒーローインタビューで「本当に頑張ってくれた」とたたえたのが、今月5月にトレードで新加入したばかりの先発・尾形崇斗投手(27)だ。アベレージで150キロ台中盤の直球を記録する右の剛腕は、自己最長となる6イニングを投げて3安打2四球1失点。白星こそつかなかったが、111球の熱投で接戦を壊さなかった。
チームは前夜2日の広島戦(横浜)で5時間21分の超ロングゲームを戦い抜いた直後。8人もの中継ぎ投手を投入した総力戦だっただけに、この日の尾形には少しでも長いイニングを投げることが期待されていた。
現状を踏まえた上で、右腕の配球をデザインしたのはハマの若き扇の要・松尾汐恩捕手(21)。「テンポ良く尾形さんらしい球を、と考えながら。直球も魅力的ですが変化球も器用な人なんですよ」。緩急や打者の目先の変化などを意識しながら好リードした。
1―1と同点の7回一死では、一時勝ち越しとなる貴重な2号ソロをマーク。高めの直球を左翼席へ運んだ一撃を「反応で打っただけですよ」と謙虚に振り返る。投高打低の時代がまだまだ続く中、21歳の捕手は打率2割6分3厘と十分な打撃成績も残している。
山本祐大捕手(27)をソフトバンクへ放出し、尾形&井上朋を獲得したトレードは、今なおファンの間で賛否が分かれる。長年チームを支えたフランチャイズプレーヤーとの別れは、多くのベイ党にとって簡単に割り切れるものではなかった。
その一方で、尾形は移籍後4試合の先発で防御率3・20を記録し、先発不足に苦しむチームのローテーションを支えている。トレードという決断そのものを背負う立場となった右腕は、結果で信頼を積み重ねようとしている。
松尾もまた新たな正捕手として、背負う責任はこれまで以上に重くなった。対戦相手の分析、そして自軍投手陣の特性把握、自らの打撃――。求められる仕事は枚挙にいとまがない。それでも「本当に充実していますし、楽しいですよ。今日みたいに勝てればなおさらっすね」と悲壮感とは無縁の笑顔を見せる。
トレードの評価は、数試合や数か月で結論が出るものではない。数年という時間の中で、尾形がローテーションの柱となり、松尾が正捕手としてチームを支える。その未来が形になった時、この決断への見方も変わっているのかもしれない。
「その時の選択が正しかったかどうかを思い悩むより、その後の自身の努力で『正しかったこと』にすればいい」。DeNA総帥・南場オーナーの名言は、いまの尾形と松尾の歩みにも重なって見える。












