虎の主砲はやっぱり規格外や――。阪神は18日のヤクルト戦(京セラ)に3―2でサヨナラ勝利。2位の巨人を3ゲーム差に突き放し、最短で20日にも優勝マジックが点灯する。

 1点ビハインドで迎えた9回に佐藤輝明内野手(27)が起死回生の一発を放った。相手3番手・清水のフォークを完璧に捉えた打球は高々と舞い上がり、右中間スタンドに突き刺さる29号ソロ。大山も特大アーチで続き、虎党もお祭り騒ぎとなった。

 背番号8は「強い当たりを心掛けて打った結果、最高の結果になってよかったです」と笑顔で振り返り「いい状態が続いているのでまた明日ですね」と次戦を見据えた。

 この日の一発で同僚の森下に並んでキングに浮上。8月はここまで月間最多となる7本塁打をマークし、月間13本ペースと真夏に入って量産体制に突入している。

 そんな佐藤だが、7月28、29日に行われたオールスター戦に出場し、ホームランダービーにも参戦。本塁打競争では普段と異なるペースで柵越えを狙うスイングを繰り返すことから、リーグ戦再開後に打撃フォームを崩す選手もいる。米球界でもかねて〝ホームランダービーの呪い〟とささやかれ、今季からルールも変更された。

 ところが、佐藤の場合はどういうわけか正反対。昨季も球宴後に調子を上げ、本塁打王に輝くなど勢いは衰えるどころか増すばかりだ。日頃から打撃への探究心も強く、メジャーで本塁打王に輝いたこともあるハーパー(フィリーズ)の動画をチェックするなど、海の向こうの一流打者からもヒントを吸収。球宴でも柳田(ソフトバンク)ら強打者と積極的に言葉を交わし、自らの引き出しを増やしてきた。

 それでも、本人は本塁打数が右肩上がりとなっていることに「いや~、本当にたまたまですよ」とサラリ。球宴を経てかえって調子を上げる特異体質だ。

 V争いが本格化する勝負の夏。〝呪い〟とは無縁の大砲がどこまでアーチを積み重ねるのか、注目が集まりそうだ。