王チルドレンは流れを変えられるか。借金を抱え4位に低迷するソフトバンクは1日、本拠地ペイペイドームで指名練習を行った。連覇を目指すチームは首位オリックスに5・5ゲーム差をつけられ、もうこれ以上のつまずきは許されない状況。そんな危機感を象徴するように、この日は王貞治球団会長(81)が練習を視察。2時間立ちっぱなしで熱い視線を送り続けた。

 王会長の視線の先に、球団としての動きがあった。この日から上林誠知外野手(26)とリチャード内野手(22)が合流。上林は右肩甲骨骨折から実戦復帰して打撃が好調で、リチャードはウエスタン最多12本塁打で一軍初昇格となる。かねて王会長から薫陶を受け、ともに毎春キャンプではマンツーマン指導を受けてきた2人。首脳陣は今回、王チルドレンに起爆剤としての役割を託した形だ。

 まさにヒリヒリする局面での昇格になる。2日の楽天戦は則本昂、3日からのオリックス戦は山本、宮城と難敵の先発が予想され、加えてチームは背水の状況だ。1分けを挟んで4連敗中の直近5試合、総得点は8。このタイミングでの初昇格にリチャードは「(求められているのは)打点、そしてホームラン。流れを変えるような打撃や、チームが固まっている状況での1本(を打ちたい)。そういう1本で雰囲気も変わったりすると思うので。元気も出していきたい」と昇格意図を理解している。

 連覇達成がミッションであることに変わりはないが、野手育成が待ったなしの鷹にあって、球団の意思も見え隠れする今回の昇格人事。常勝軍団にとって望ましい転換点となるか。