眠れる主砲が目を覚ませば、奇跡の「10月」が現実になる。ブルージェイズが、土壇場で再び息を吹き返している。3日(日本時間4日)、敵地クリーブランドのプログレッシブ・フィールドでガーディアンズを6―3で下し、敵地3連戦を2勝1敗で勝ち越した。これで70勝71敗。ア・リーグのワイルドカード(WC)最後の1枠を占めるガーディアンズまで、わずか0・5ゲーム差に迫った。

 昨季はドジャースとのワールドシリーズ(WS)第7戦で延長11回の末、4―5で力尽き涙をのんだ。今季こそ雪辱を――と期待されたが、序盤から歯車がかみ合わず、7月25日(同26日)時点では48勝57敗。首位レイズに13・5ゲーム差をつけられ、東地区最下位に沈んでいた。

 8月3日(同4日)のトレード期限ではケビン・ガウスマンら主力を放出し、事実上の「白旗」とも映る動きに出たが、そこからチームはしぶとく反転。直近6試合で5勝を挙げ、10月への扉を再びこじ開けようとしている。

 その逆襲に追い風となっているのが、ウラジミール・ゲレロ内野手(27)の復調だ。米メディア「ヘビー」は4日(現地時間)、ゲレロの変化をクローズアップ。2日(日本時間3日)のガーディアンズ戦では4打数3安打、1本塁打、5打点と爆発した。今季は126試合で打率2割6分、8本塁打、54打点。長打率3割5分7厘と本来の破壊力を欠き、本拠地ではまだ一発もない。それでも9月に入り、ようやく打棒が上向いてきた。

 試合後の言葉も頼もしい。「今の僕の心構えは試合に勝つことだけ」。個人成績を追う時期ではなく、小さなことを積み重ね、勝利のためにできることをやる――。不振にあえいだ看板打者が、完全にチーム本位へと視線を切り替えた。

 これは岡本和真内野手(30)にとっても、朗報だ。メジャー1年目の岡本は135試合で打率2割2分7厘ながら、チーム最多28本塁打、78打点と奮闘。春季キャンプからゲレロと行動をともにし、守備や打撃練習を重ねるなど良好な関係を築いている。

 岡本の一発にゲレロの勝負強さが加われば、打線の景色は一変する。昨秋の悔しさを知る主砲と、その隣で新天地を背負ってきた岡本。2人の「ツープラトン」が完成した時、最下位まで落ちた昨季のWS準優勝軍団は他球団が最も当たりたくない不気味な存在へと変貌する。