阪神は19日の広島戦(甲子園)に4―2で競り勝ち、4カード連続の勝ち越し。2―2と同点の8回二死一、三塁で打席に入った佐藤が左中間を割る決勝の2点適時打をマークし、接戦をもぎとった。
死球禍で荒れに荒れたいわくつきの3日間。カード最終戦を勝利で終えた藤川球児監督は試合後、「自分の中ではベストゲーム」とナインたちを称えた。
カード第1戦では前川が死球を受け右肩甲骨を骨折。第2戦では佐藤が鯉2番手のハーンから内角スレスレの直球を投じられ激高すると、バットを放り投げて一時はピッチャーへ向かうそぶりすら見せた。温厚な男が珍しく怒りをあらわにしたことは、多くの野球ファンたちに大きなインパクトを与えた。
怒りと不信とフラストレーションの残り香が濃厚に漂う中、挙行されたこの日のゲームで佐藤が決勝打を放った相手は、前日に自身を怒らせたハーンだった。リベンジ達成の喜びに三塁側は沸いたが、直後にまたも制球を乱した右腕は、次打者の大山の左ヒジ付近に死球を直撃させてしまう。
一気に表情を険しくした藤川監督がついにベンチから飛び出して敵軍バッテリーへ詰め寄ろうとすると、これに呼応するかのように両軍ナイン&首脳陣がフィールド上に一斉出動。鯉虎のファン双方から怒号が飛び交う中、乱闘発生ギリギリのもみ合いとなったが、相手指揮官・新井監督が謝罪のジェスチャーを見せたため事態はなんとか収束。審判団からは警告試合が宣告され、ハーンはそのまま交代となった。
試合終了後、報道陣の前に姿を現した藤川監督の態度は至って冷静だった。まずは6回5安打2失点でゲームをつくった先発・村上と、1―2の7回に同点の2号ソロをマークした女房役・坂本を称賛。「村上はよく粘ってエースらしく投げてくれた。攻撃のポイントは坂本のホームラン。チームのまとまりも一気に出た。選手たちの胆力や我慢強さが上がるっていうところにつながる」と振り返る。
8回の混乱に関しては「両軍ともデッドボールも多かったですが、本当のことを言えば、野球界をいかに長く残していけるかが今、一番問われていること」と語った上で「戦いはしますが、新井監督もそうだし広島のコーチの方々も選手としてやってきましたから。グラウンド上では戦いはしますが、本当にやらなければならないのは野球界を残していくこと。グラウンドを離れれば皆、新たに前向きで進むのが野球の素晴らしいところなので」とノーサイドを強調する。
大山に関しては「日頃の行いですかね。運良く強い体のおかげで明日のゲームを迎えられそうです」とのこと。「まあ明日、またいいゲームをしましょう」と自らに言い聞かせるように語り、囲み取材を終えた。












