セ首位の阪神は15日の中日戦(バンテリンドーム)に5―6で競り負け、連勝は3でストップ。プロ初先発の今朝丸が4回6安打4失点と崩れ、打線の追い上げもあと一歩届かなかった。

 巨人、ヤクルトを含む上位3球団が3・5ゲーム差内にひしめく三つどもえから、なかなか頭一つ抜け出せない。リードオフマン・近本が戦線復帰を果たし、打撃3冠を独占する森下、佐藤ら中軸勢も好調を持続。チーム状態が安定してきた今のうちにライバルとの差を広げておかなければ、球団史上初となる連覇への道も徐々に怪しくなってくる。

「阪神はシーズン終盤の競り合いに伝統的に弱い。優勝したければ夏までの間に独走態勢に入っておく必要がある」。OB会長の掛布雅之氏を筆頭に、虎の重鎮たちが繰り返し説いてきた〝定説〟がこの球団にはある。

「亀新フィーバー」で虎党を熱狂させながら、最終盤に野村ヤクルトに競り負けた1992年。7月時点で2位・巨人に最大13ゲーム差をつけながら、原巨人のメークレジェンド達成を許した2008年の「Vやねん大失速」。高津ヤクルトの驚異的な猛チャージに屈した21年など、〝秋失速の虎ウマ〟がこの球団にはてんこ盛り。

 落合竜とのマッチレースを9月に制した2005年のような例外もあるが、03、23、25年の歴代Vイヤーはいずれも9月突入時点で2位に6~10ゲーム差以上をつけ、独走態勢を確立した上での優勝だった。

 タテジマの歴史を熟知した岡田前監督が、ナインに「優勝」の言葉を使うことを厳に戒め、アレの二文字の下、18年ぶりのリーグ制覇を23年に達成したことは象徴的。その名将ですら、巨人とのデッドヒートとなった翌24年は勝負どころの9月で星を取り損ね、連覇を逃した。

 伝統的に苦手としてきた「秋の競り合い」を回避するためにも、オールスターブレークを挟んだここからの1か月でセーフティーリードを確保したい。周囲が何かと騒々しい人気老舗球団だけに、勝てるうちに勝っておかないと後々のことが怖すぎる――。