ブロンクスを救う切り札は、札束ではなく〝金の卵〟かもしれない。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は15日(日本時間同日)、オールスター戦後にメジャー昇格する可能性があるヤンキースの有望株4人をクローズアップした。チームは前半戦をア・リーグ東地区2位の成績で折り返しながら、首位のレイズを追う立場。8月3日(同4日)のトレード期限へ向け、キャッシュマンGMが誰を獲得し、誰を交換要員に差し出すのかが焦点となる中、補強に頼らない〝内製の逆襲プラン〟が浮上している。
筆頭はカルロス・ラグランジュ投手(23)だ。先発から救援へ配置転換され、最速100マイル(約161キロ)超の速球を武器に14回2/3で20奪三振。3Aでは自身初セーブも挙げた。ただ、右肩関節包の捻挫で約6週間の投球停止となり、昇格は早くても8月。それでも健康を取り戻せば、終盤戦のブルペンに爆発力を加える存在となる。
内野の救世主候補はジョージ・ロンバード・ジュニア内野手(21)。守備力に加えて打撃も急成長し、2Aから3Aへスピード昇格した。6月は14試合で打率3割6厘、出塁率4割2分6厘、長打率5割7分1厘。複数の指を痛めて離脱したものの、リハビリは順調で復帰は近い。内野陣が安定を欠く状況だけに、後半戦中の抜てきは十分あり得る。
すでに一度メジャーを経験したスペンサー・ジョーンズ外野手(25)も再昇格を狙う。30試合で打率2割3分3厘、2本塁打、7打点、三振率41・5%と粗さを露呈して降格したが、3A復帰後は6試合で22打数7安打、1本塁打と即座に反発。主力外野陣の回復が遅れれば、再び声がかかる可能性は高い。
4人目は2025年ドラフト11巡目のベン・グレイブル投手(24)。今季はハイAから2Aへ駆け上がり、2Aでは22試合の救援で2勝1敗、防御率3・09、23回1/3で32奪三振、3セーブ、5ホールド。予想を上回る速度で評価を高め、手薄なブルペンの穴を埋めるダークホースだ。
9月にはアクティブロースターが26人から28人へ拡大される。大物獲得の代償として有望株を手放すだけが期限前の編成ではない。下部組織に連なる分厚い人材が一斉に階段を駆け上がれば、未来のブロンクス・ボンバーたちが今季のポストシーズン争いを救う――。名門ならではの〝育成力〟が、ここ一番で物を言うかもしれない。












