阪神・森下翔太外野手(25)が9日の巨人戦(東京ドーム)の6回二死一塁、2戦連発となる22号2ランを放った。若き主砲にけん引された猛虎は10―2で大勝。敵地3連戦を2勝1敗で勝ち越し、単独首位に返り咲いた。今やチームの屋台骨を支える〝阪神らしくない選手〟の大胆不敵さには、球団OBも舌を巻いている。
森下は前夜8日のカード第2戦でも先制の21号ソロをマーク。3―4で惜敗したカード初戦から漂っていた嫌なムード吹き飛ばす一撃に、藤川監督も「心強い大きなホームラン。相手を引かせることができた」と手放しで称賛していた。
2023年日本シリーズ第5戦での伝説的な決勝打、第6回WBC準々決勝のベネズエラ戦で放った3ランなど、印象的な活躍も多い。森下の最大の武器は、得点圏打率やOPSといった指標だけでは説明し切れない「ここぞの勝負強さ」だ。多少の逆境や周囲の雑音など、どこ吹く風。むき出しの闘志と強烈なエゴを前面に出して戦う背番号1の人となりは、猛虎史においても極めて異質といえる。
球団OBは「ウチの生え抜き選手ってのは〝ムッツリ型〟が圧倒的に多いんだ。逆に武闘派タイプなんかは本当に少ないよね。注目度が高くメディア露出も多いから、言動や振る舞いがどうしても保守的な〝安全運転〟になってしまいがちなんだ。今だったら大山あたりがその典型だよね」と振り返る。金本知憲氏(元監督)や矢野燿大氏(同)、西岡剛氏ら、チームのムードメーカー役はFA加入などの〝外様組〟が担うことが多かった。
だからこそ前出OBは「森下は本当に〝阪神らしくない選手〟だなって思うんだよ」と笑みを浮かべつつ「死球を当てられれば露骨に嫌な顔をするし、球審にも食ってかかる。まあ今季はついに退場処分も食らっちゃったけどさ。でもああいう選手が味方にいると頼もしいもんなんだよ」とも続ける。
6月6日の楽天戦(甲子園)では、ストライク判定に納得できず、眞鍋勝已球審への暴言でプロ初の退場処分を受けた。球団の公式記録によると、生え抜き選手が「審判員への侮辱行為、暴言」などで退場となったのは、1993年9月8日のヤクルト戦(甲子園)での木戸克彦氏(現球団プロスカウト部長)以来、実に33年ぶり。この事実だけでも森下という男の異質さは十分に伝わってくる。
とはいえ、この日の第2打席で死球を受けた森下は、怒りをグッと押し殺して一塁へ歩く冷静さも見せた。怒りも激情も闘志も白球にぶつければ、それでいい。生え抜きとしては希少な〝武闘派〟は、これからも虎の牙を鋭く光らせながら勝負に挑む。












