最下位の泥沼で、なぜか〝責任者〟だけが守られた。ア・リーグ東地区最下位に沈むレッドソックスで、フロント批判がさらに燃え広がっている。米メディア「ヘビー」は11日(日本時間同日)、球団上層部がクレイグ・ブレスロー編成本部長(45)の立場を「保証した」と報じた。チームは同日時点で27勝39敗。地区首位から13・5ゲーム差をつけられ、6月としては1997年以来の低空飛行となっている。それでもトップの責任問題には発展しないというのだから、ファンの怒りに火をつけるには十分だ。
発言の主は、球団社長兼フェンウェイ・スポーツ・グループCEOを務めるサム・ケネディ氏(52)。ボストンのスポーツラジオ局「WEEI」の番組「ザ・グレッグ・ヒル・ショー」に出演し、ブレスロー氏の雇用について「交代は検討すらされていない」と明言した。続けて「彼は事態を収拾するために誰よりも懸命に努力している」と擁護。ブレスロー氏が今季中に解任されることはないと伝えている地元紙「ボストン・グローブ」のティム・ヒーリー記者による一報とも一致し、低迷下でも編成トップに猶予が与えられる構図が鮮明になった。
だが、現実は甘くない。レッドソックスは3点以上のビハインドを背負った試合で0勝28敗、8回終了時点でリードを許した試合も0勝36敗。反発力の乏しさは数字にも表れている。ケネディ氏自身も「誰一人として責任を免れることはできない」「本当にひどい状況」と危機感を口にしているが、その一方でブレスロー氏には〝安泰宣言〟。球団の説明は、ファン感情と大きくズレて映る。
問題は成績だけではない。同記事は、ブレスロー氏がデータ分析に傾き過ぎ、その意図を選手やコーチに十分伝え切れていないとの批判にも触れた。エース左腕のギャレット・クロシェット投手(26)の故障説明をめぐる混乱など、情報発信のつたなさも不信感を増幅。現場とフロントの距離感は危うさを増している。
さらに打線の構成にも疑問符がつく。ライバル球団のスカウトは、打線下位にマイナー級の内野手が並ぶ現状に首をかしげ、別の評価担当者も「開幕時からあった弱点が今も残っている」と厳しく指摘したという。パワー不足に苦しむ中、吉田正尚外野手(32)も出場機会が安定せず、立場は微妙さを増している。チームが浮上の兆しをつかめなければ、若手起用への傾斜がさらに強まる可能性もある。
低迷、故障対応、打線不振、そして高額契約を抱えるベテランの扱い。あらゆる火種がくすぶる中で、編成トップだけが守られる異例の展開となった。ブレスロー氏に残された時間は保証されても、レッドソックスの名門としての信頼が保証されたわけではない。











