今回がスタートとなるこのコーナーは、相場に精通する三枝裕介氏と私(天野秀夫)が隔週で担当し、その時々の注目材料を織り込みつつ、リーズナブルな金額で投資できる中小型の有望株を紹介していく。
今回は、米国で6月に控える史上最大のIPO(新規上場)を手掛かりとする宇宙開発関連がターゲットだ。
実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙輸送、衛星インターネットアクセス、AI(人工知能)開発サービスを手掛ける「スペースX」が6月4日の機関投資家向け説明会を経て、12日に米ナスダック市場にIPOする予定だ。2019年12月にサウジ証券取引所にIPOした国営石油会社サウジアラムコを大きく上回る超大型のIPO案件となり、時価総額は1兆ドル超えとも想定されるビッグイベントだ。
ファンドを通じてスペースXに出資する東証プライムのアステリア(3853)が5月に入り急騰相場を演じており、宇宙開発関連株に物色人気の輪が今後、拡大していくことが期待される。
高市政権の成長戦略17分野でも航空・宇宙はリストアップされ、6月中には統合イノベーション戦略が新たに発表される見込みとスケジュール面での刺激材料も控える。
宇宙ベンチャー企業はグロースに5銘柄がすでに上場しているが、ここからは宇宙関連の手掛かりを持つ、株価3ケタで今期増益見込みの有配株に注目だ。
株価800円台で東証スタンダードの小野測器(6858=808円)は、デジタル計測機器メーカーで今12月期営業利益は前期比87%増の11億円を見込む。JAXAが手掛けるロケットのターボポンプ用回転計の開発製造を担当した経緯を持ち、防衛省向けでも納入実績がある。今3月期は年30円配当で配当利回りは3・7%と高配当利回りも魅力。
株価400円台で東証スタンダードのパンチ工業(6165=505円)は精密金型部品メーカーで特注品に強みを持つ。ロボット・宇宙技術開発ベンチャーと月面探査車開発で提携。米企業が25年2月に民間企業で世界初の月面着陸を成功させたロケットにも搭載された経緯をもっている。
株価600円台で東証グロースのジェノバ(5570=670円)は、全球測位衛星システムGNSS技術の位置情報配信サービス事業を展開する企業。小幅ながら今9月期は連続最高益更新見込み。KDDIと提携しドローンなど新規領域開拓も視野に入れている。
スペースXのIPOをきっかけに、いずれも株高エンジン点火が期待される銘柄だ。
(株価は26日終値、次回は三枝裕介氏です)













