破産手続きを始めたクレジットカード決済代行の「全東信」(大阪市)が20年以上前から粉飾決算していた疑いが8日に報じられ、衝撃が広がっている。

 全東信は飲食店などで消費者がクレジットカードで支払った代金を立て替え、店側に支払うサービスを展開していた。ところが、業績が悪化して負債総額1151億円となり、6日に破産手続きの開始が決定。スピード払い、甘い審査が売りで、加盟店にはキャバクラやホストクラブなど夜の店が多かったが、全東信の決済端末が使えなくなったことで、現金払いを余儀なくされる店も多い。

 さらに東京商工リサーチはこの日、全東信が預金残高の水増しや架空債権の計上などで粉飾し、26年3月期は純資産約24億円と申告していたが、約605億円の債務超過に陥っていた疑いがあると報じた。粉飾決算を見抜けなかった取引銀行の責任を追及する声や刑事事件に発展する可能性も出てきた。

 今年最大の破産劇となったが、夜の街では「全東信は危ない」と一部でもちきりだったという。

 20年3月期は年間収入80億円としていたが、コロナ禍で30億円減少し、24年には他人名義での不正な加盟店契約を結んだとして社員が逮捕される事件が起き、一部の銀行が取引を打ち切るなどしていた。破産手続き開始が決定する前には、一部飲食店で全東信から別の決済サービスに切り替えを進めていたところもあり、破産情報が事前に流れていたともウワサされた。粉飾隠しの計画倒産との声が飛ぶのも当然だ。

 破産管財人によると、8日時点で2万店超の加盟店で、今月1日以降の売上金が店側に支払われていないことが確認されているという。全東信は18年に加盟店は20万店に達したと発表していて、まだ事態を把握していない店も多いとみられ、被害は氷山の一角の可能性もある。