サッカーの北中米W杯に出場していない中国が、商売ではW杯を席巻していた。中国メディア「中国中央電視台(CCTV)」などが29日、報じた。
世界最大級の雑貨卸売市場がある浙江省の義烏市では、W杯効果でスポーツ用品の輸出が急増。今年1~5月のラテンアメリカ向けスポーツ用品輸出は9億8000万元(約233億円)で、前年同期比17・6%増となったという。
特に売れているのが「ストレス解消サッカーボール」だ。サッカーボールの模様をまねた玩具で、12個のボタンと五角形構造を組み合わせ、押すと軽い音と反発感がある。観戦中のファンのストレス解消を狙って開発された商品だ。
イライラすると押したくなる〝プチプチ〟感覚が売りで、ゴールが決まらなかった瞬間やVAR判定を待つ時間、応援するチームが劣勢に立たされた際などに、ボールを押してストレスを発散することを想定して作られた。
義烏の雑貨店主・陳果氏は「私自身がサッカーファンで、ボールとW杯という話題を組み合わせて、この商品を開発しました」と話している。開発には約1か月を要した。発売後すぐに人気商品となり、すでに約40万個を出荷。主な輸出先は米国、カナダ、メキシコで、米中が関税合戦を繰り広げる中でも、義烏製のW杯グッズは米国向けが6割超を占め〝W杯特需〟を取り込んでいる。工場は24時間態勢で稼働し、1日3万個を生産している。
また、W杯需要は観戦グッズだけでなく、ファッションにも広がっている。3大会連続でW杯商戦を手掛ける温従見氏は、出場国が完全に決まる前から各国の勝ち上がりを予測し、国ごとに2~4種類のデザイン案を準備。今大会は男性用だけでなく、女性用、子供用、ペット用ユニホームも展開している。
エジプト代表風の商品にはピラミッドの要素を、オーストラリア代表風の商品にはカンガルーの要素を取り入れるなど、各国の文化に合わせたデザインで差別化を図り、W杯特需を取り込んだ。












