「粗雑すぎて目に痛い」と評される中国アニメ映画「牛来(ニウ・ライ)」が、興行収入の奇跡を巻き起こしている。製作費はわずか3万元(約71万円)で、興行収入は17日時点ですでに920万元(約2億1796万円)を突破。2026年に中国の映画館で公開された国産アニメ映画の興行収入トップ10に食い込んだ。中国語メディア「新唐人」が18日、報じた。
「牛来」は8月5日に公開されたものの、当初はほとんど客が入らず、公開から数日たっても興行収入はわずか数千元にとどまっていた。ところが、10日ほどたつと突然、SNS上で大ブレークした。
このアニメで最も人目を引いたのは、「目に痛い」と言われるほどの粗雑な作りだった。
低精度のモデリング、ぎこちないキャラクターの動き、ぼやけたテクスチャー、さらには字幕に誤字まである。しかし、こうした欠点の数々が逆にネットユーザーたちの「ネタ」となった。
観客の中には、「一体どれほどひどいのか、自分の目で確かめるためにチケットを買った」と笑う人もいる。こうした「怖いもの見たさ」の心理が、逆に興行収入を押し上げたという。
さらに驚くのが、その製作体制だ。主要製作スタッフは、監督の信雨萌(シン・ユーモン)氏と母親の孫麗芳(スン・リーファン)氏の2人。母子は5年をかけて86分の長編映画を完成させた。モデリング、アニメーション、編集、製作から一部の声優まで、多くの作業を自分たちでこなしたという。製作費はわずか3万元だったとされている。
ところが、「牛来」が突然大ブレークする中、監督の故郷である大連では、一部の映画館が上映を中止したとの情報が伝えられた。ある映画館のスタッフはメディアに対し、「そんなにひどい映画なのに、どうして見たいんですか?」とまで語ったという。
それにしても、これほど粗雑な映画が、なぜ映画館で上映できたのだろうか。業界関係者によると、映画の技術審査で主にチェックされるのは、映像のフレームに異常がないか、映像と音声がずれていないか、画面が真っ暗になったり、再生に不具合が起きたりしないかといった技術的な問題だという。映画が「面白いかどうか」「出来が良いかどうか」を審査するものではない。
つまり、内容が規定に適合し、技術上の問題がなく、必要な手続きもすべて整っていれば、映画館で上映できるということだ。












