ひどい作りで話題の中国アニメ映画「牛来」が、〝怖いもの見たさ〟の観客を集め、異例のヒットとなっている。そんな中、製作会社の所在地である大連のイメージに悪影響を与えることが懸念されたとして、大連市内の映画館で上映が取りやめられた。中国紙「揚子晩報」が16日、報じた。

 同紙によると、大連市内の映画館が「牛来」について上映中止の通知を受け、今後は上映しないと明らかにした。映画館側は理由について「大連では上映できない。大連の人が作った映画なので、大連のイメージに悪影響を与えることを心配しているからだ」と説明したという。

 揚子晩報の記者が映画チケット購入アプリの地域設定を「大連」に変更して「牛来」を検索したところ、作品情報は表示されず、「上映中作品」のランキングにも同作は見当たらなかった。

 一方、大連で上映回数がゼロになったのとは対照的に、ほかの都市では通常通り上映が続いている。

 同記者が調べたところ、16日は上海で100館近くが「牛来」を上映。南京でも64館が上映枠を設け、23日まで上映スケジュールが組まれていた。

 南京市内の映画館の編成担当者は「現時点では正式な上映中止の通知は受け取っていない。ただし、今後、上映取りやめを求められる可能性があるとの未確認情報はある」と語った。

 また16日、SNS「微博(ウェイボー)」で「映画『牛来』公式アカウント」と記載されたアカウントが声明を発表。「最近、アニメ映画『牛来』に寄せられた皆さまの関心と議論に、心より感謝いたします」とした上で、「率直に申し上げれば、成熟した劇場用アニメーションの製作水準と比較すると、本作には映像や物語などの面で、明らかな弱点や心残りがあります。製作全体を通じて条件は非常に限られており、素朴で不器用な〝夢を追いかける挑戦〟でした。最終的に映画館の大スクリーンで上映できたこと自体、当初は望むことすらできなかった結果です」と投稿した。

「牛来」は、前身が内装会社だった「大連璟園文化影視伝媒有限公司」が製作したアニメ映画。信雨萌氏が監督を務め、モデリング、アニメーション、編集、声優など製作の大部分を担当した。母親の孫麗芳氏も脚本と声優を担当し、エンディング曲まで歌った。母子2人で約5年をかけて完成させたという。