福岡県議会に厳しい視線が注がれている。〝県議会のドン〟こと蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案が採決中止となったことで、中止に賛成した県議らに批判が殺到。賛成県議はリスト化されSNSで拡散し、来年春の県議選に影響を与えそうだ。
蔵内氏に対して、〝カツアゲ〟疑惑を告発した吉松源昭県議が、議長としての信任を失っているとして議長職の辞職勧告決議案を提出していた。17日に採決が予定されていたが、採決直前になって蔵内氏の元秘書だった林泰輔県議が採決中止を求める動議を提出。賛成多数で可決され、辞職勧告決議案は採決されなかった。
予想外の事態に多くの県民は怒り心頭。批判が殺到したのか、林氏は18日に公式サイトを一時停止。声明を掲載し、「今回の動議は、私自身の判断に基づき、私自身の言葉で提出したものです。藏内議長本人から、動議提出の指示を受けた事実はありません」と、ドンに対する忖度はないと明言した。
また、採決中止の動議には自民党だけでなく、立憲民主党、国民民主党、社民党などで構成される会派「民主県政県議団」の一部も賛成していた。同会派で賛成した、立憲民主党の山本耕一県議にも批判が寄せられ、Xで「ほぼ厳しい厳しいご意見、全て読ませていただきました。重く受け止め、政治活動を行っていきます」(18日)と投稿した。
疑問も浮上している。18日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で宮根誠司は「国政だと与党と野党でガンガンやり合う。(福岡県議会では)野党の人の顔が全く見えない。不思議な感じがする」と野党の存在感のなさに首をかしげた。政治学者の白鳥浩氏は「県議会を回していくなかで蔵内さんとの関係を持ってしまってる方も(野党の中に)いるんじゃないかという意見もある」と指摘していた。
永田町関係者は「地方議会は二元代表制で、議院内閣制の国会のように与党と野党に分かれているわけではありません。ただ、首長との距離で与党・野党と色分けされることはあり、自民党と立憲民主党がともに知事寄りのケースもあります。また、その地方特有の歴史や人間関係という事情もあり、国会の与党・野党の対立がそのまま地方議会にあるとは限りません」と話した。前回の県知事選では自民党も立憲民主党も服部誠太郎県知事を推薦していた。
今回の騒動への有権者の関心は高く、採決中止の動議に賛成した県議の名前はSNSで拡散され、「顔と名前を覚えておきましょう」「必ず落選させましょう」と注目を集めている。
18日、福岡市の高島宗一郎市長は会見で県議会について問われ、「誰がどういう発言をして、自分たちの代表として誰がふさわしいのかなっていうことの参考にしっかりしていくことが肝要でしょう」と話した。
採決中止が来年春の県議選に与える影響は大きい。












