【今週は三枝裕介氏】相変わらず値動きは荒いものの、日経平均株価は一時6万7000円台を回復するなど、日本株市場も徐々に落ち着きを取り戻してきた。

 一方で、SNSなどでは、キオクシアホールディングスや村田製作所などを信用取引で買っていた個人投資家の強制退場報告も後を絶たない。

 キオクシアや村田製作所の日足チャートを見ると、似たような動きとなっており、ともに上値の重い展開が続いている。一方で、直近の決算発表では、両銘柄とも好決算だった。好決算でも株価が上がらないのは、マーケットの期待が大きかったことに加え、高値で買っていた投資家の戻り売りが控えているためだ。

 これまでの株式市場の常識だと、高値から大きく下落した銘柄は、信用取引で買っていた投資家の投げ売りにより信用買い残が激減する傾向があったが、この2銘柄は減少するどころか増加しているというデータがある。これらの整理が進まない限り、大きなリバウンドは見込めないだろう。

 ただ、好決算が裏付けているように、AIや半導体の需要は引き続き旺盛だ。ここからは、早い戻りが期待できそうな関連銘柄にシフトすべきだ。

 東証プライムのパナソニックホールディングス(6752=4436円)は、白物家電や電池などのデバイス事業を展開する総合家電の大手。AIインフラ事業やデータセンター需要の恩恵を受けて、2027年3月期は営業利益で前期比約150%増を見込んでいる。

 株価は7月1日の4770円から全体相場急落に巻き込まれ、一時は3364円まで下落したものの、8月5日には4500円台を回復してきた。高値更新は目前だ。

 東証プライムのさくらインターネット(3778=3315円)は、データセンター事業などを展開する独立系の大手。デジタル庁が推進する「ガバメントクラウド」の認定事業者にも採択されている。また、マイクロソフトとの協業を発表するなど材料は豊富だ。

 足元の業績は好調で、直近の決算では、27年3月期の通期業績予想を大幅上方修正したばかり。株価の戻りも速く、年初来高値更新が視野に。

 東証プライムのソニーグループ(6758=3764円)は、半導体にも強みを持つ世界的電機メーカー。米国半導体大手のエヌビディアや台湾のTSMC(台湾積体電路製造)と事業提携するなど注目度は高い。

 株価は7月31日に年初来高値を更新したばかり。足元では株価の値動きも軽くなっており、一段高が期待できそうだ。(株価は10日終値、次回は天野秀夫氏です)