【今週は三枝裕介氏】これまで米国の早期利上げ観測を背景に円安(ドル高)トレンドを形成していたドル円相場が一気に逆方向の円高に押し戻された。トリガーとなったのは、トランプ大統領の発言だ。
4日、トランプ大統領は自身のSNSでFRB(連邦準備制度理事会)に対して、金利の引き下げ要求を発信。実現しない場合は、「米国が貿易赤字を抱える国々との貿易を停止する」と述べた。
さらに8日の外国為替市場では、日銀が利上げペースを速めるとの見方から円高が加速し、約半年ぶりとなる1ドル=152円台に突入。約1週間で値幅にして7円近く円高に動いた計算だ。
なお、米国は9月15~16日、日本は17~18日に金融政策を決定する会合が控えている。日本は9月会合で利上げが見込まれており、仮に米国が金利据え置きもしくは利下げに動くようなことがあれば、円高推移が加速することになりそうだ。
そんな中、日本株市場では、これまで円安が重しとなっていた好業績の円高メリット銘柄の巻き返しが始まっている。
東証プライムのニトリホールディングス(9843=3392円)は、家具・インテリアの製造・販売を手がける会社。商品の約9割を海外で生産し、国内に輸入して販売するビジネスモデルの同社にとって、円高は仕入れコストや人件費の削減につながる。対ドルで1円の円高が進むと、営業利益を約20億円押し上げるとされている。
株価は7月31日の日米協調介入をきっかけに明確な上昇トレンドに入っており、8日には3435円まで上昇、年初来高値の3493円がターゲットに入ってきた。
東証プライムの神戸物産(3038=3108円)は、食材販売の「業務スーパー」をフランチャイズ展開している。海外からの輸入食品を多く扱うため、円高は仕入れコストの減少につながり、利益率の改善が期待できる。2026年月期(通期)は営業利益で7・8%増を見込んでおり、今後の為替推移次第では、今期業績の上振れや来期業績予想に期待できそう。
株価は、6月19日の年初来安値2516円を底に緩やかな上昇が継続中。なお、年初来高値は1月につけた3974円と上値余地は十分だ。
東証スタンダードのセリア(2782=4750円)は、100円ショップの大手。同社にとっても円高は海外からの仕入れコストの削減につながるため、円高メリット銘柄として知られている。2027年3月期は、増収増益の見通しだが、為替の円高推移が続けば、今期業績上振れの可能性は十分にある。株価は8日に年初来高値を更新したばかりで勢いも十分だ。(株価は8日終値、次回は天野秀夫氏です)













