サッカー北中米W杯で、フランス代表FWキリアン・エムバペ(レアル・マドリード)が場外乱闘に巻き込まれている。パラグアイの女性政治家がエムバペに対して人種差別を含む投稿をし、エムバペが反論した騒動で7日、女性政治家が声明を発表。逆に女性差別でエムバペを訴えるというのだ。しかも、この政治家は現地メディアに強気の発言を繰り返していた。
フランスは日本時間5日に決勝トーナメント2回戦の相手パラグアイと対戦。エムバペが後半分にPKを決めて1―0でフランスが勝利していたが、パラグアイのラフプレーが話題となる内容だった。試合終了後にはパラグアイGKの握手をエムバペが無視する一幕もあった。
これに不満だったのか、パラグアイのセレステ・アマリージャ上院議員がX(旧ツイッター)でエムバペに対する差別発言を連投。
エムバペも黙ってはいない。7日にXを更新し、アマリージャ氏宛てに「あなたは卑劣でその地位に値しない女性だ。パラグアイを代表していない」と人種差別的投稿に抗議した。
対抗するようにアマリージャ氏も7日に声明を発表。エムバペの試合中の態度を「傲慢」となじり、エムバペに対して投稿の撤回と謝罪を要求。「『卑劣な女』『私がついていた地位にふさわしくない』などと言う権利はないのです」「これは紛れもないジェンダーに基づく暴力です! 国民の支持を得て今の地位についた女性に対する政治的暴力です。あなたこそが、ジェンダーを軽蔑し、女性を侮辱しているのです」と女性差別だと主張し、法的措置にも言及した。
アマリージャ氏の真意はどこにあるのか。
7日にパラグアイメディア「ABCカーディナル」がアマリージャ氏にインタビューをしている。
自身を人種差別主義者ではないと強調する一方で、アマリージャ氏の投稿を非難したパラグアイ政府に対しては「ナンセンス」と断じ、「私はパラグアイを代表して発言したわけではないし、政府の一員でもない。なぜ彼らは私の発言に対して弁明する必要があったのか?」と批判した。
パラグアイは上院と下院の二院制でアマリージャ氏は上院議員だ。投稿による上院での制裁の可能性は低いとしながらも、「上院の議場外であれば、フーリガンのように叫ぶ権利もあります」と主張し、もし与党が制裁の手続きをするのであれば「フランスでも上院議員になるわ」とジョークを言い放っている。
エムバペに対する法的措置は弁護士に訴訟準備の指示をする手前までいっていたと明かした。「私はエムバペ選手を女性に対する暴力で訴えることができる。これは紛れもない政治的暴力だ」とし、「パラグアイはすでにロナウジーニョを投獄していることを忘れてはならない」と付け加えた。元ブラジル代表のロナウジーニョは2020年に偽造パスポートを使用してパラグアイで逮捕されていた(5か月後に釈放)。
アマリージャ氏は「脅迫ではない。訴訟を起こすかどうかは分からないが可能性はある」と話しているだけに、まだまだ騒動は沈静化しないかもしれない。












