福岡県議会で正副議長ポストをめぐって金銭授受があったという〝カツアゲ疑惑〟で新たに「500万円を手渡した」と証言した人物が現れた。15日に地元メディアのFBS福岡放送は副議長経験者が蔵内勇夫議長にお金を渡したと話したと報道。蔵内氏といえば〝県議会のドン〟。どうして地方議会にドンが生まれるのか。
騒動は吉松源昭県議が2020年の議長就任前に自民党県議団幹部に約2000万円を支払ったと証言したことに始まる。吉松氏は7日に開いた会見で「人の弱みにつけこんだカツアゲ」と主張。正副議長就任にあたり金銭授受の慣例があったのではないかと疑惑が拡大している。
現金を受け取った側の県議団幹部らは受け取りを否定。新たな証言についても、蔵内氏はFBSに金銭授受は「ありません」と答えている。
蔵内氏は県議として当選10回を数える大ベテラン。県議会のドンと言われて長い。15日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)に出演した元自民党衆院議員の石原伸晃氏は蔵内氏について「パッと見はジェントルマン。中身はクリアな方」と評価。過去に福岡県内の選挙で地元の人間関係に苦労したことを蔵内氏に相談したこともあったという。国会議員でも一目置く存在なのだ。
今回の騒動でもドンの名前が出てきているように、それだけ影響力が大きい。ドンと呼ばれる存在は県外の議会にもいるというが、どのようにして生まれるのか。
ある地方の議会関係者は「ドンは自民党から生まれます。自民党は地方議会で主流と傍流に分かれることがあり、主流になるために〝汗をかく〟わけです。ようは金と票を集めるのです」と明かした。「汗をかく」とは福岡県議会の騒動において「お金を出す」ことを意味する隠語として使われていたとされる。
「そうやって競争して組織を強くしてきたのが自民党です。競争の結果、上に行った人間がいろいろ差配するようになる。差配とは予算に影響力を持ったり、役所の人事に口を出したり。人事に口を出せるということは役所の人間もドンに従うようになる。選挙では公認を出す出さないに影響力があります」(同)
これだけの力を持てば癒着、しがらみといったものから逃れられそうにない。「しかし、ドンをなくすべきかというと必ずしもそうでもない。ドンがいると意思決定がシンプルになります。役所からするとドンに了承をもらえば、あとはドンが議会に根回ししてくれます。ドンの存在は合理的ではあるのです」(同)
ドンは必要悪とのことだが、意思決定がブラックボックスになっては有権者にとってマイナスになりかねない。












