福岡県議会の議長ポストをめぐって金銭授受があったという〝カツアゲ〟疑惑で14日、渦中の中尾正幸副議長が反論会見を行った。お金について話し合っているとされる音声データについて「信憑性に乏しい」と主張するも、会見中に自分の言葉と認めるなど一転。しかし、金銭授受は否定した。ほかにも高額の海外視察など問題だらけの福岡県議会だが、疑惑は全国に飛び火するかもしれない。

 福岡県議会をめぐっては、吉松源昭県議が2020年の議長就任前に自民党県議団幹部に約2000万円を支払ったと証言していた。吉松氏は7日に開いた会見で「人の弱みにつけこんだカツアゲ」と主張。お金の名目は他会派への根回しだった。吉松氏は自民党を離党している。

 約2000万円のうち、中尾氏に1000万円を求められたといい、吉松氏は当時交わしたやり取りの音声データを公開。音声データには中尾氏と思われる声で「〝荷物〟を預かります」「ちょっとね、大金やけんね、管理しとかんと」などと会話が録音されていた。後日、テレビ西日本と西日本新聞が共同で日本音響研究所に鑑定を依頼したところ、99・99%で中尾氏の声だったという。

 中尾氏はこの日の会見で金銭の受け取りを否定。音声データについても「今どきはAIでなんとでもなるからねといろんな方からそう言われますので、その意見を踏まえるとやはり信憑性に乏しいと思っています」とAIによる改ざんの可能性をブチ上げたのだ。

 しかし、質疑応答で記者から科学的な鑑定を否定する材料は何かと問われると、「私は専門家ではありませんので、私の感覚では信じられないということ」と証拠はないとトーンダウン。鑑定でAI生成の可能性も否定されて詰められると、「会話は存在しているのでしょうね」と主張を一転させた。ただ、現金の受け取りについては一貫して否定している。

 14日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)に出演した政治学者の白鳥浩氏はこの件について、「お金で議長職を買っているふうに有権者には見えてしまう」と指摘。続けて「来年は統一地方選があるわけですけど、なかなかこういったことが大きく宣伝されると、福岡だけの話じゃなくて全国でも同じことがあるのではないかと思われてしまう」と全国に飛び火する可能性を指摘した。

〝カツアゲ〟疑惑に揺れる福岡県議会だが、ほかにも騒動があった。高額な海外視察問題だ。何度も海外視察に行ったという蔵内勇夫議長は6月11日の会見で「必要な海外調査は行わなければならない」とし、「私、〝海外旅行〟は続けます。すいません、〝海外旅行〟じゃなくて〝海外活動〟でした」と説明した。

 蔵内氏は福岡県議会のドンとささやかれる大物だ。永田町関係者は「以前、東京都議会にも〝都議会のドン〟がいました。全国各地にドンがいても不思議ではありません。ある県の〝政界のドン〟が亡くなった時は政界関係者の間で衝撃が走るなどしました」と話す。

 疑惑も各地にあるなんてことがなければいいが――。