ミック・ジャガーは、ブルース・スプリングスティーンがステージ上でトランプ大統領を批判するスピーチを繰り返していることを受け、「観客はコンサートに政治的な説教を聞きに来るわけではない」との考えを示した。米紙ニューヨーク・ポストが12日、報じた。

 ローリング・ストーンズのフロントマンであるミックがニューヨーク・タイムズのポッドキャスト番組に出演。司会のデービッド・マルケーゼから、ツアーでトランプ氏をたびたび批判しているスプリングスティーンについて質問を受けた。

 マルケーゼは「スプリングスティーンは、自分の仕事は観客と意味のある対話をすることだと考えているようです」と述べた上で、「あなたにとって観客との関係とはどのようなものですか。目の前にいる大勢の人たちは何を意味するのでしょうか」と問いかけた。

 これに対しミックは「結局のところ、ライブ音楽の世界での俺の仕事は、お客さんに最高の時間を過ごしてもらうことだ。2時間ほどの間だけでも、自分たちの悩みや世の中の問題、住宅ローンのことなどを忘れてもらい、とにかく最高の時間を提供したいんだ」と答えた。

 ミックは、ライブは日常生活のプレッシャーから解放される場であるべきだと強調。「スポーツ観戦に似ている。ほかのことは全部脇に置いて、誰が勝つのかを見ているんだ。ほかの問題を心配しているんじゃない。観客に説教なんてしたくない」と語った。

 また、観客は場所によって異なるため、演奏する側が観客に合わせるべきであり、どこでも同じ反応を期待してはいけないと語った。「俺たちの仕事は、お客さんに最高の時間を過ごしてもらうだよ」

 スプリングスティーンは今年の「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームズ・アメリカン・ツアー」で、たびたびトランプ氏を激しく批判している。

 一方でミックは、音楽に政治的な要素を取り入れること自体には反対ではないと説明した。ただし、あくまで「控えめ」に盛り込むべきだという。

 ミックは「俺は恋愛についての曲を書いて、その中に政治についての歌詞を1節だけ入れるようなやり方をするようになった。政治ばかりを歌う曲なんて、誰も聞きたくない」と話している。