トランプ米大統領がラトニック米商務長官の解任を検討していることが分かった。イラン情勢が混迷する中で、関税交渉の窓口を務めるラトニック氏が不在となれば、高市政権もひとごとではない。

 トランプ氏は先月、ノーム国土安全保障長官、2日にボンディ司法長官を解任した。米政治サイトのポリティコによれば、トランプ氏は結果を出していなかったり、批判を浴びている閣僚に不満を抱き、ラトニック氏とデレマー労働長官が次の解任候補に名前が挙がっているという。

 トランプ氏とラトニック氏は盟友関係で知られる。関税交渉などでの手腕は評価しているとみられるが、エプスタイン問題でこじらせている。エプスタイン氏と交友があったラトニック氏は当初、2005年に関係を断ち切ったと証言していたが、今年公開されたエプスタイン・ファイルで、12年にエプスタイン島を訪れていたことや継続して関係を持っていたことが判明。ラトニック氏は島訪問を認め、民主党だけでなく共和党内からも辞任を求める声が出ている。ボンディ氏の解任もエプスタイン・ファイルを巡る対応が原因とみられ、ラトニック氏は下院でエプスタイン氏との関係性を問う公聴会が開かれる予定で、火だるまになる可能性がある。

 ラトニック氏がトランプ政権から去るかもしれない事態に大慌てとなるのは高市政権だ。関税交渉のカウンターパートはラトニック氏とベッセント財務長官が務め、石破政権時から赤沢亮正経産相が交渉を積み重ねていた。赤沢氏はラトニック氏を「ラトちゃん」と呼び、昨年の訪日時は浅草寺や東京スカイツリーでもてなすなど良好な関係を築いていた。2月に日米の戦略的投資イニシアチブの第1陣プロジェクトを発表したばかりだった。

 トランプ政権の支持率は第1次政権を通じて、過去最低を記録し、テコ入れが必至の状況で、ラトニック氏のクビが飛ぶことになるのか。