広域強盗事件のうち、昨年5月に京都市で起きた事件を「ルフィ」と名乗り指示したとされ、強盗容疑で逮捕された今村磨人容疑者(39)が、今年1月の千葉県大網白里市の事件にも関与した疑いが強まり、警視庁は強盗致傷などの疑いで20日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で19日分かった。同容疑者が、詐欺のみならず凶悪事件の指示役である可能性が高くなったことで、逮捕前に流出した“言質動画”が裏付けられることになりそうだ。
この事件では「ミツハシ」を名乗り、SNSなどで「闇バイト」として募った実行役らに指示したとみて調べる。警視庁は今村容疑者が「ルフィ」「ミツハシ」と名前を使い分けて2つの事件を指示していたとみている。
警視庁など5都府県警の合同捜査本部は、京都市と大網白里市を含む7事件について指示役の解明を目指している。今村容疑者と同じくフィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの幹部とされ、2月の強制送還中に逮捕、後に起訴された渡辺優樹被告(39)ら男3人の中にも指示役が含まれている可能性がある。
この4人は前出の特殊詐欺事件に絡んでフィリピンの捜査当局に拘束され、入管施設ビクタン収容所に収監。その際に持ち込んだスマホで強盗の実行役を闇バイトで募ったのが、一連の広域強盗事件だった。
札幌の繁華街ススキノで同じ客引きとして知り合っていた渡辺被告と今村容疑者が「一旗揚げる」としてフィリピンに渡って、特殊詐欺グループを仕切った。金主などの黒幕の力で廃ホテルに特殊詐欺のアジトを作り、“金持ちリスト”を調達したのが渡辺被告。今村容疑者はそのグループの中で、指示役リーダーとして特殊詐欺を働いたとみられる。その後、収容所に収監されれば、日本の警察の手が及ばないとみて、単純なやり口で、実行役を使い捨てにする強盗に手を染めた。
元暴力団関係者は「ルフィグループのトップは渡辺や今村ら4人で、ビクタン収容所でも『ビッグ・ボス』と呼ばれたのが渡辺。今村は収容所内からも特殊詐欺のほか、遠隔で“タタキ(強盗)”をやらせることを発案し、日本の金庫番に命じてカネの8割以上を自分の銀行口座に振り込ませていたようです。収容所内でも羽振りの良さが抜群で、ビッグ・ボスの渡辺被告と同格でした」と語る。
また、ススキノ関係者は「渡辺は大学進学で札幌に出てきて、ススキノの客引き時代、上にペコペコするタイプでありつつ、ガールズバーの雇われ店長を任されるまでになって、『腹がすわったヤツ』と評判。その後、ミュージックパブを経営するも、“嫌がらせ”を受けてつぶれたという話です。一方、今村は学生時代にいじめ、カツアゲ、ススキノでも暴力バー、闇金、薬物、そして無免許運転でのひき逃げとやりたい放題。2人は約20年前に知り合い、ススキノかいわいでは『渡辺はまともな水商売人だったが、今村に出会ったことで変わってしまった』と言われている」と指摘する。
ルフィとされる4人が逮捕された2月、渡辺被告が第三者に撮影させたとみられる動画がメディアに流れた。渡辺被告と今村容疑者がビクタン収容所内で会話しているものだが、今回、今村容疑者が「ルフィ」「ミツハシ」と名前を使い分けて指示していた疑いが強まったため、動画の信ぴょう性が裏付けられることになりそうだ。
その中で、渡辺被告は自分がルフィとして報じられていることを終始迷惑がっており、収容所内で仲間内で使い回していたスマホのSIMカードを替えなかった今村容疑者を責めている場面がある。一方の今村容疑者は「警察は(誰がルフィか)分かっている」とし、自分がルフィであることを否定していなかった。
「隠し撮り映像で、今村容疑者は撮られていることに気づいていなかった。一方、渡辺被告は今村容疑者の口から『俺がルフィだ』との言質を引き出そうとする内容でした」と元暴力団関係者。
一連の広域強盗事件の真相解明が待たれる。












