京都府南丹市の小学生・安達結希さん(11)の遺体が遺棄された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された養父・安達優季容疑者(37)が遺体を移動させていたことに衝撃が広がっている。そんなことをすれば逆にバレそうなものだが、どうやって運んでいたのか。

 優季容疑者は市内の複数か所に遺体を運んで隠した疑いを持たれている。遺体の臭いによって周囲から気付かれそうだが――。

 結希さんは3月23日に行方不明となり、4月13日に市内の山林で遺体で発見された。それまでに容疑者は市内の公衆トイレ周辺などにも遺体を置いたとされる。

 法医学の第一人者で、連続ドラマの医療監修もしてきた千葉大学法医学教室の岩瀬博太郎教授は、遺体の臭いを周囲が気付くかどうかについて「気温によります。あとはご遺体が置かれた場所が日陰かそうでないかにもよります」と話す。

 気温の目安は20度だという。南丹市の3月下旬~4月上旬のおおよその気温は最高20度ほど、最低5度ほど。

 岩瀬教授は「南丹市の春の気温であれば死後3日~1週間くらいから臭いがしてくると思います」と指摘。遺体をビニール袋などに入れれば臭いを漏らしづらいという。「通常、10度ほどであればご遺体は腐敗しにくく長持ちします。といっても多少臭いはする。見た目でいうと、1か月たっても原形をそれなりにとどめたままのケースもあります」

 一般的な冷蔵庫で、室温がおおよそ5度以下の冷蔵室で肉や魚を保存できることを思えば分かりやすいとした。

「20度ほどになると急激に腐敗が進みやすくなります。死後1週間くらいすれば、ご遺体は膨れ上がったり、緑色に変色したり、身元が分からなくなるくらい腐敗します。夏であれば、2日もすれば臭いがします」

 京都府警は結希さんの行方不明時の捜索で情報提供を求めた際、身長134・5センチのやせ形としていた。体重には触れられなかったが、小5男児の平均体重を踏まえれば30キロ前後だったとされる。

公衆トイレの裏手は木に囲まれうっそうとしている
公衆トイレの裏手は木に囲まれうっそうとしている

 岩瀬教授はこれまで自身が検証したケースで「犯人はご遺体をスーツケースに入れることもありました」という。結希さんのように「130センチ台であれば入ります」と指摘した。

 容疑者としては過ごしやすい気候で遺体の腐敗が進みにくかったこともあり、複数か所に運べた可能性があるが、悪事が許されるはずはなく、府警が容疑者の行動履歴を丁寧に洗い出すなどして遺体の発見につなげた。