純資産残高10兆円を突破した大ヒット投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式」(オール・カントリー、通称オルカン)の生みの親として知られる代田秀雄氏が大胆な未来を予測した。それは何と貨幣経済が成立しない世界だという。AIによって急速に進化を遂げた人類がたどり着く先とは――。
人類はかつて物やサービスを直接交換する「物々交換」をしていたが、やがて貨幣が生まれ、それが社会全般の基盤となって現在の世界が築かれた。そんな「お金」を前提とした世の中の仕組みは、AIの急速な発達によって大きく変わる可能性があるという。
代田氏は「究極の話、僕はAIの進化で貨幣経済がなくなると思ってるんですよ」と切り出した。
貨幣経済にとっての「お金」は「幸せに生きるための道具」「世の中を回すための道具」だ。食事も娯楽も納税も、すべて「お金」を介して行われる。そんな社会が根底から崩されるというのだ。
「進化したAIが会社を経営し、国も動かすようになったら、人は働かなくても良くなるんですよ。それでもAIで国が回るから。自然や資源の営みもAIがうまく管理して、『人間は何もしないでそこに立ってろ』『余計に動くな』という話になってくる」
それだけではない。「所有」という概念までなくなりそうだという。「お金がないから、勝手にすべての物が使える。所有権がなくなるかもしれないし、本当にすごくいろいろなことが起こりえるんです。映画『マトリックス』の世界とかに近いかも」
もちろん、身体性を伴う職業や、AIに取って変わることができない人の営みもあることだろう。あくまで代田氏が予測するのは「究極の話」ではあるが、それに近い将来は十分想像できそうだ。
実際に、世界的実業家のイーロン・マスク氏も、進化したAIとロボットによって多くの仕事が自動化される将来を見据え、「働かなくていい世界」が訪れることを予見している。
一方で、人は生きるためだけに働くのではなく、そこに生きがいを求めることもある。「働かなくていい世界」には、当然弊害もありそうだ。
代田氏も「貨幣経済がなくなれば、人は『自分は何で息をして生きているのか』という意味探しをする世界になっていくはずです」と指摘。その上で「だからこそ、今が一番楽しい世界かもしれないですね」と語った。












