株式市場では、昨年秋ごろからレアアース(希土類)関連株への関心が高まっている。高市首相はトランプ大統領との会談で、2025年10月に署名した「重要鉱物・レアアース供給の確保に関する枠組み」に基づき、行動計画などの覚書を締結。日米共同で、南鳥島周辺に眠るレアアースの共同開発を進めていく方針である。
2月下旬、南鳥島周辺海域でのレアアース試験採掘成功を受け、関連株の人気化が加速した。もっとも、「国産レアアース」の産業化には、越えなければならないハードルが多い。最初のハードルは、深海からレアアース泥を吸い上げる技術と、それにかかるコストの問題だ。南鳥島は東京都心から1900㌔以上離れており、輸送コストも高い。
実は、最も高いハードルは採掘や輸送にかかる費用ではない。レアアースの精錬過程で排出される、重金属や放射性物質を含む有害な廃液の処理にかかるコストだ。精錬のシェアが9割超と中国が圧倒的なシェアを占めているのは、環境規制が他の先進国に比べて緩く、廃液処理にかかるコストが安いからである。
レアアース研究の第一人者である東京大学の岡部教授は、「レアアースの精錬で排出される廃棄物の処理コストに関しては、日本は中国に太刀打ちできない」と断言する。仮に国産、あるいは中国以外の国からレアアースを調達できたとしても、廃棄物の処理コストという越えられない壁にぶち当たるということだ。とはいえ、レアアース関連は注目度が高く、期待感だけで中長期的に株価が大きく上昇する可能性は捨てきれない。
非鉄金属大手のJX金属(5016=3557円)は、金属リサイクル、産廃処理を展開するほか、豪レアアース・レアメタル鉱床に出資するなど自前の調達にも力を入れており、調達から精錬までを1社でこなすことが可能だ。半導体材料の増産など成長性もあり、株価は早晩、3000円台から抜け出すだろう。
昨年7月の当欄で貴金属リサイクルのAREホールディングス(5857)を取り上げたが、同業のエンビプロ・ホールディングス(5698=905円)やTREホールディングス(9247=1578円)にも、廃棄物処理に携わる銘柄として注目しておきたい。レアアース関連としての実力は未知数だが、株価には割安感がある。
同様に、廃棄物処理・リサイクルを手掛けるアミタホールディングス(2195=358円)も、株価水準的に注目しておく価値はありそうだ。(株価は24日終値)













