4月3日、政府は発電事業者に対して使用済み太陽電池のリサイクル計画の提出を義務付ける「太陽電池リサイクル法案」の国会提出を閣議決定した。従来のシリコン型太陽電池の寿命は30年程度で、2030年代後半から大量廃棄が予想される。同法案は、この大量廃棄を見越した施策だ。

 この法案によって普及が加速すると思われるのが、「ペロブスカイト型太陽電池」である。従来のシリコン型に比べて約10分の1の重さで、曲げられるため曲面でも設置が可能。製造コストも比較的安く、原料のヨウ素は日本国内で調達可能と〝いいことずくめ〟だ。

 再生可能エネルギーについて、高市首相は外国産の太陽光パネルが並ぶ現状に対して警鐘を鳴らし、ペロブスカイト型の普及を重視する姿勢を鮮明にしている。同法案には、シリコン型からペロブスカイト型への切り替えを促す高市首相のもくろみが透けて見えるのだ。

 というのも、従来のシリコン型太陽電池はリサイクルが難しく、設備を更新するには、丸ごと立て直す必要がある。一方で、ペロブスカイト型は耐久性が低いという欠点を抱えるが、その欠点を補う方法として、「経年劣化したペロブスカイト結晶を取り除き、新たな結晶を充填する」新技術が開発中。耐久性に関する問題は、早晩クリアされることになりそうだ。

 ペロブスカイト型太陽電池関連の本命と言えば、積水化学工業(4204=2643・5円)だろう。6年ぶりのトップ交代で新社長に就任した加藤氏は、就任会見で「ペロブスカイト型太陽電池に社運をかける」と決意を表明。3月下旬に新事業のペロブスカイト型電池「SOLAFIL」をスタートさせ、福岡県や東京都などで製品の設置を進める計画を打ち出した。5月半ばに発表予定の中期経営計画では、より具体的な施策が打ち出されるはずだ。国策ド真ん中銘柄であるにも関わらず、株価は2000円台半ばと買いやすい水準にある。

 塗工機メーカーのヒラノテクシード(6245=1761円)は、ペロブスカイト型専用塗工機の製造設備を開発した。足元の業績はEV(電気自動車)向けの悪化で低迷しているが、この新商品を切り札として低迷からの脱却を図る。三菱HCキャピタル(8593=1468円)は昨年8月、北海道電力などと共同でペロブスカイト型の実証をスタートし、今後は同電池の調達を拡大する方針だ。同社は「対米投資80兆円」にも関わる公算が大きく、株価は長期で右肩上がりとなることが期待される。 (株価は14日終値)