自民党の鈴木宗男参院議員は2日の参院法務委員会に出席。巨人軍前監督の阿部慎之介氏が18歳の娘と言い争いになり、暴行容疑で現行犯逮捕され、釈放された事件について質疑を行った。
鈴木氏は警察庁に対して「読売ジャイアンツの阿部前監督が家庭内における暴行容疑で現行犯逮捕されました。翌未明には釈放されて任意捜査に切り替わっていますけども、現行犯逮捕の運用基準についてですね、警察庁の見解をうかがいます。氏名や住所、連絡先が明確で逃亡の恐れもなく、かつ、証拠隠滅の恐れが低い事案においてもあえて令状なしの現行犯逮捕を判断したのはどういうことなのか」と問うた。
まず、警察庁は現行犯逮捕の基準について「現に罪を行い、または罪を行い終わったものを現行犯人として何人も逮捕状なくして、これを逮捕できることとされているところでございます。この現行犯逮捕をするか否かについては、個別具体的な事案については事実関係にそくして法と事実にもとづき判断がされるものと承知しています」と説明。
阿部氏の事件には「5月25日、警視庁において親から暴力を振るわれている旨の110番通報を受け、現場に臨場した警察官が同人(阿部氏)を暴行罪で現行犯逮捕した事案と承知しています。警視庁からは被疑者を現に罪を行い、終わったものと認めて、現行犯逮捕するに至ったと報告を受けている。終わったものと認めて現行犯逮捕するに至ったものと報告を受けています」と説明した。
鈴木氏は事件翌日の5月26日、阿部氏が報道陣の取材に応じた際に読み上げられた娘の手紙にも触れ、「自らの意向が聞かれることなく警察に通報された」「(阿部氏から)殴る蹴るといった事実はなかった」と記された点を問題視した。
「現行犯(逮捕する)前に任意同行するとかという選択がなかったんでしょうか。それなりの社会的地位で(阿部氏は)知名度のある方でもあります。当事者は親子関係です。これもハッキリとしていますけども警察が行く前に(親子で)仲直りをしていたようなですね、そういう娘さんの話もあります。私は現行犯逮捕よりも任意同行だとか、身体拘束を伴わないやり方での選択肢、捜査の進め方があったのではないかという感じ方がするんですけど、その点はいかがですか」(鈴木氏)
これに警察庁の山田好孝生活安全局長は「委員(鈴木氏)がご指摘の通り、一般論として事件の関係者を事情聴取のために警察署などへの同行を求めることがあるというのはご指摘の通りです」と述べた。
「ただ、これが本件において実効的であったかついては、仮定の話の話でございましてお答えすることは困難であると考えております」とした。
その上で「いずれにおきましても本件におきましては、警視庁から本件の被疑者が現に罪を償い終わったものと認めて現行犯逮捕に至ったものと報告を受けております。そのような状況がどういうものであったか、逮捕に至る背景事情に関わることについては、被害者と関係者のプライバシーに関わる観点からも答弁を差し控えたいと考えております」
鈴木氏は改めて「娘さんが公に手紙を発表していますね。任意同行して事情を聴くのが普通のやり方ではないか」と質問したものの、山田局長は「一般論として申し上げれば、人身安全関連事案につきましては事態が急展開する可能性もあるという特徴、性質があるところでございます。それを留意して被害者の安全確保を優先しつつ、個々の事案ごとの状況も踏まえながら適切に対応する必要があるということでござます」と述べた。













