株式相場は不確実性が高い状況が続いている。トランプ大統領は「イランでの作戦は近いうちに終わる」と話す一方で、同盟国や中国に原油輸送の要衝、ホルムズ海峡への護衛艦派遣を要望していることを考えると、事態収束にはもう少しかかりそうだ。ひとまず新規買いはとどめ、政策などのテーマや材料を吟味する期間と捉えるべきだろう。

 政府は10日、日本成長戦略会議を開催し、戦略17分野の主要な製品・技術について「官民投資ロードマップ」の素案を発表した。素案では17分野すべてに言及しており、今後、株式投資で国策を追うならチェック必須の資料と言える。137ページに及ぶ素案の中で、トップバッターに抜擢されたのが「フィジカルAI」。フィジカルAIは、昨年末ごろから注目テーマに急浮上し、関連株が相次いで人気化した。政府は、AIロボット市場について「2040年までに約60兆円規模への成長が見込まれ、そのうちの3割超、20兆円のシェア獲得を目指す」との意向を打ち出している。

 まだ素案段階であり、支援の詳細や具体的なロードマップには触れられていない。ただ、「駆動装置、モーター、減速機など重要部品の製造能力の強化に取り組む」ことが明言されている点を考えると、関連株として部品メーカーに照準を絞りたいところだ。今回は、6月ごろの発表が見込まれる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2026)で具体的な支援策が打ち出されることを見越して、フィジカルAI向けに業績拡大が見込める銘柄を取り上げておきたい。

 まずは、ベアリング(軸受け)大手のNTN(6472=332・5円)。ベアリングは、スムーズな動きが求められるAIロボットで重要な役割を担う部品だ。同社は、ロボット制御ソフトを手掛けるスタートアップ企業と提携するなど、フィジカルAI向けの拡大に積極的。同分野では、トップの日本精工(6471)が主力候補ではあるが、3万円台で買えるNTNを穴株として注目しておきたい。

 AIロボットに搭載必須の減速機では、シェアトップのナブテスコ(6268)が主力候補だが、やや投資単価が高い。その点で、ロボットアームに用いられるウォーム減速機を手掛ける椿本チエイン(6371=2368円)は、株価が26週平均線付近まで調整しており、押し目買いの好機か。同様に、ベアリングや産業用ロボットを手掛ける不二越(6474=4665円)も押し目を待ちたいところだが、「押し目待ちに押し目なし」となるかもしれない。(株価は17日終値)